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工場排熱をCO2フリー電力に変換、ヤンマーが熱電発電システムを実用化:省エネ機器
ヤンマーホールディングスが、工場などで排出される高温ガスから熱エネルギーを回収しCO2フリーで発電する熱電発電システムを開発した。
ヤンマーホールディングスは2025年1月24日、工場などで排出される高温ガスから熱エネルギーを回収しCO2フリーで発電する熱電発電システムを開発したと発表した。既に開始している事業性実証試験を経て、今後グループ会社のヤンマーeスターで商品化を目指す方針だ。
今回開発した熱電発電システムは、ヤンマー独自のサーモサイフォン式熱交換器を導入した。これは熱電モジュールの均等かつ高密度な加熱を可能で、高出力化を実現したという。工場などで排出される350〜800℃の高温ガスの利用に対応し、熱利用のニーズに対しては、温水供給も可能。10年以上の稼働寿命が期待できるとしている。
システムは1台当たり幅510mm×奥行1975mm×高さ886mmの外形寸法で、重量は130kg。排ガスダクトにボルト固定し据え付けるのみで設置が完了し、冷却水供給と電気配線工事のみで利用できるなど、施工性にも配慮した。
また、連結も可能でニーズに合わせて柔軟にシステム構成を変更できる。4台を組み合わせた場合、発電出力は9.5kW(交流)で、年間にCO2排出量を約30t削減できるとしている。
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