閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」、営農型太陽光発電への影響は?:ソーラーシェアリング入門(70)(2/2 ページ)
営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)について解説する本連載。今回は正式に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」と新たな「地球温暖化対策計画」について、営農型太陽光発電に関する記述や今後の施策の見通しについて見ていきます。
食料・農業・農村基本計画はどのような方向でまとまるか?
さて、エネルギー基本計画と地球温暖化対策計画の後に、営農型太陽光発電からすると本丸とも言える農林水産省の新たな食料・農業・農村基本計画の策定が控えています。年度内には策定が完了する見込みで、直近では全国11ブロックでの農業関係者に対する地方意見交換会が開かれてきているほか、2月7日から2月21日にかけて広く基本計画への意見・要望を募るといったことも行われていました。はたして考慮されるかどうかは分かりませんが、私も農業者の立場から「食料安全保障を担保する農業・農村におけるエネルギー自給体制の確立」について意見を提出しました。
前回の記事以降に開催された食料・農業・農村政策審議会企画部会の議論を見ていくと、第116回の第117回の2回にわたって基本計画骨子(案)と目標・KPIの検討案について審議がされていますが、議事概要を見る限りでは農業・農村におけるエネルギー自給やエネルギー転換そのものは議論になっておらず、残念ながら今次の新たな基本計画ではエネルギー問題について従来通りの取り扱いに留まるのではないかと見ています。
地方意見交換会の議事概要も全ブロックのものを確認しましたが、こちらも北海道や中国ブロックでバイオガスやエネルギーに関する若干の言及がある他は、ヒアリング対象者から農業・農村におけるエネルギー問題などについての発言は見られませんでした。そもそも農業分野においてエネルギー問題に対する関心が低いままなのではないかということが伺えました。
企画部会の議論、地方意見交換会及び一般への意見・要望募集を積み重ねた結果として、どのような食料・農業・農村基本計画が出てくるのか、その中で営農型太陽光発電や農業・農村のエネルギー問題はどのように言及されていくのか、年度末に向けて引き続き動向を追いかけていきたいと思います。
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