ニュース
6トントラックで山間部にも搬送可能 ダイヘンが分割できる蓄電システム:蓄電・発電機器
ダイヘンが分割して搬送が可能な蓄電システムを発表。山間部の太陽光発電所などにも、6トントラックで搬送できるという。
ダイヘンは2025年7月4日、太陽光発電併設型の蓄電池パッケージの販売を開始したと発表した。分割して搬送可能なシステムなのが特徴で、山間部などにある太陽光発電所に導入しやすくした。
一般的なコンテナ型蓄電池はパワーコンディショナー、蓄電池、連系設備、変圧器が一体構造となっており、山間部の太陽光発電所には搬送しにくいという課題があった。
一方、ダイヘンの新製品はパッケージを構成するすべての機器を6トン未満とし、これにより6トントラックでの分割搬送を可能にした。これにより、コンテナ型蓄電池を搬入する際に必要とされていた、道路交通法に基づく通行許可申請や経路にある橋梁の耐荷重調査が不要となるメリットがある。
また、新製品はダイヘン独自設計の設置面積1.2×1.3メートルのユニット型パワーコンディショナーとキャビネットタイプの蓄電池を採用。既設太陽光発電所の少ない余剰スペースにおいても設置が可能であり、複数台の組み合わせによりさまざまな容量ニーズに対応できるという。同社のエネルギーマネジメントシステムも付帯する。
昨今、FIP制度の開始により、太陽光発電設備に蓄電池を併設する動きが広がっている。ダイヘンでは今回の新製品の投入により、こうしたFIP制度の利用による蓄電池の併設ニーズに応えていく方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
系統用蓄電池の接続検討が急増 受付量は1.1億kW超で「空押さえ」が課題に
系統用蓄電池の接続手続きが急増し、系統量量の「空押さえ」状態などの課題が顕在化。資源エネルギー庁ではこうした状況を受け、系統用蓄電池の接続検討の実態を調査するとともに、系統用蓄電池の接続ルールの見直し等について検討を開始した。
産業用太陽光発電のセキュリティ問題――その背景と発電システムの実態
昨今、大きな話題となっている産業用太陽光発電システムのセキュリティ問題。はたしてその問題の本質はどこにあるのでしょうか。本連載ではこの太陽光発電のセキュリティ課題について、技術的・実務的な観点から検証していきます。
再エネ時代の巨大バッテリー「揚水発電」の現在地――東芝が進めるAI活用と事業展望
太陽光や風力の出力変動に対応する調整力として、揚水発電が再評価されている。原子力のための「影の存在」から、再エネのための「巨大バッテリー」へ──。東芝の取り組みを通して、揚水発電のこれからを展望する。
