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塩害環境でペロブスカイト太陽電池の耐久性を検証 マクニカなどが横浜市で:太陽光
マクニカ(横浜市)は2025年9月1日から、横浜市などでペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始した。
マクニカ(横浜市)は2025年9月1日から、横浜市などでペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始した。異なる工法で海沿いの重耐塩環境下などに設置し、太陽電池の耐久性や発電性能などを検証する狙いだ。
今回の実証事業は、環境省の「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」において、「港湾などの苛烈環境におけるペロブスカイト太陽電池の活用に関する技術開発」として採択されたもの。同事業は2023年度から3年間の計画となっており、今回が最終年度になる。なお、ペクセル・テクノロジーズ(横浜市)、麗光(京都市)と共同で推進している。
2024年度は、接着しない独自の新工法にてペロブスカイト太陽電池72枚を設置し、正常稼働することを確認。さらに蓄電池やIoT機器を含めて設計した1.5kWのPSCユニットを用いて、重耐塩環境下において出力1kW規模での発電と定常電力利用が可能なことを確認した。
2025年度は「横浜港大さん橋」デッキ上に、前年度より発電効率を向上させたペロブスカイト太陽電池ユニット60枚(1kW相当規模)を設置し、昨年以上の発電量を目指す。さらに重耐塩環境下に加え、同さん橋のデッキ上と同じユニットを通常環境下にも設置し、重耐塩環境と通常環境との比較を行う。
この他に、蓄電池やIoT機器とのシステム統合、独自の新たな2通りの設置工法の比較などを行う。実証期間は2025年9月1日〜2026年2月28日を予定している。
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