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エコキュートで住宅太陽光の自家消費を効率化 日立GLSが実証実験
日立が家庭用給湯器「エコキュート」を活用し、家庭用太陽光発電の効率的な自家消費を目指す実証実験を開始する。
日立グローバルライフソリューションズ(日立GLS)と日立製作所(日立)は2025年10月28日、地域の企業や住民が連携して地域内で再生可能エネルギーを有効活用する地産地消モデルの構築に向けた取り組みを開始すると発表した。日立GLSが家庭用太陽光発電の自家消費を最適化する実証実験を行う計画だ。
実証実験は、日立市を含む茨木県内に在住する日立ブランドの家庭用給湯器「エコキュート」を設置している家庭を参加者として募集する。エコキュートから電力センサーによって運転状況や消費電力などのデータを収集し、エコキュートの稼働状況、給湯需要、消費電力、太陽光発電量などのエネルギー利用状況に関する知見をAIを活用して分析する。その結果をもとに、エコキュートの運転計画を立案・最適化する仕組みの検証を行うのが目的だ。また、昼夜分割運転による経済性のシミュレーションや、太陽光発電による自家消費の経済的メリットの評価も実施する。
こうした仕組みの構築により、太陽光発電による電力の家庭内活用を約20%の向上させることを目標とする他、家庭の電気代削減の効果に加え、電力系統の安定化やエコキュートを活用したエネルギー調整によるCOS排出削減への貢献も目指すという。さらに将来的には、家庭で余った電力を地域内で共有することで、HEMSを活用した再生可能エネルギーの融通を可能にする仕組みの構築も検討する。
実証期間は2025年11月上旬から2026年1月末までを予定する。
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