京セラがクレイ型リチウムイオン電池の新製品 産業向け高圧対応モデルも展開:蓄電・発電機器(1/2 ページ)
京セラが半固体クレイ型リチウムイオン蓄電システム「Enerezza(エネレッツァ)」シリーズの新製品「Enerezza Plus II(エネレッツァプラスツー)」を発表。今春から販売を開始する。
京セラは2026年3月24日、半固体クレイ型リチウムイオン蓄電システム「Enerezza(エネレッツァ)」シリーズの新製品「Enerezza Plus II(エネレッツァプラスツー)」を開発し、今春から販売すると発表した。
クレイ型リチウムイオン蓄電池は、京セラ独自の粘土状の材料で電極を形成する技術を利用した蓄電池。一般的なリチウムイオン電池では、集電体とセパレータの間に電極材料を配置してバインダーで接着し電解液で満たす構造をとる。一方、クレイ型リチウムイオン電池では、あらかじめ電解液を練り込んだ粘土状の電極材料を厚塗りしている。高安全性、長寿命、コストの面などのメリットを持つのが特徴で、京セラは2020年から本格的な量産を開始し、家庭用向けに展開を進めてきた。
今回の新モデルはセル構造を改善したことで、定格容量を拡大。従来モデルは蓄電池ユニット1台当たりの定格容量が5.5kWhだったのに対し、新モデルは5.7kWhとなっている。最大3台までの同時利用が可能で、定格容量ベースで5.7kWh、11.4kWh、17.1kWhの3種類のシステムを構成可能とした。定格容量は増加したが、蓄電池ユニットの外形寸法は幅485×高さ562×奥行280mm、重量は64kgと従来モデルと同等のサイズを維持している。
さらにセルの劣化抑制技術の高度化によって、2万回の充放電サイクルに対応可能。保証期間15年における残容量の保証値も、従来の60%から65%以上に高めている。蓄電池の設置は屋内外に対応可能で、使用温度範囲は下限が-20℃、上限は従来モデルより5℃高い45℃とし、高温環境下でも使いやすくした。
新モデルは周辺機器のバリエーションもアップデートされている。従来モデルは蓄電池用ユニットと、太陽光発電や外部給電にも1台で対応可能なマルチ入力型パワーコンディショナーで構成していた。
一方の新モデルではパワーコンディショナーと組み合わせて利用する機器として、太陽光発電とAC100Vの外部給電に対応する「マルチ拡張ユニット」、太陽光発電の接続に対応する「ハイブリッド拡張ユニット」の2つの拡張機器を用意。これから蓄電池と同時に太陽光発電を導入し、さらに停電時などに備えて外部給電機能も持っておきたいという場合は前者を、外部給電機能は不要という場合には後者を提案できるようにした。こうしたライアップとすることで、必要なニーズに応じて最小限のコストでシステムを構成できるようにする狙いだ。
また、パワーコンディショナーそのものの性能も高めたことで、発電開始に必要な太陽電池モジュールの最低搭載数も抑えられるという。さらに、接続可能な太陽光発電の容量も従来は10kW程度だったが、新モデルでは最大12kWまで引き上げた。
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