パブコメ募集中の営農型太陽光発電に関する法改正 事業者への影響と今後の見通しを考える:ソーラーシェアリング入門(75)(1/2 ページ)
営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)について解説する本連載。今回は現在パブリックコメントを募集しているソーラーシェアリング関連の制度改正について、その概要と今後の見通しを解説します。
2025年5月から始まった「望ましい営農型太陽光発電」の議論が、2026年4月に開催された「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」の第6回会合で取りまとめられ、農山漁村再生可能エネルギー法を軸とした制度改正が進められています。そして、7月24日に農林水産省からこの制度改正に関連する3つのパブリックコメントが8月22日を提出期限として公開されました。今回は、その主な内容について解説していきます。
制度改正の概要
今回の営農型太陽光発電に関する制度改正では、営農型太陽光発電の実施に必要な手続きを従来の農地法による一時転用許可から、農山漁村再生可能エネルギー法による設備整備計画の認定と、農地法による一時転用許可という仕組みに移行していくことになります。下記は農林水産省による検討会第6回で事務局から提示された解説です。
この制度改正により、今後は国の示す農山漁村再生可能エネルギー法に基づく「基本方針」に準じて、各市町村が策定する「基本計画」に適合する形で、発電事業者が「設備整備計画」を策定・申請します。その上で市町村の審査(さらに農業委員会による一時転用許可)を受けることで、営農型太陽光発電設備の新設が可能になります。
この「基本計画」を定めていない市町村では、新たに営農型太陽光発電事業を行うことができなくなります。一方で、国が基本方針で定める営農や設備に関する要件について、科学的根拠を示すことで市町村が独自の基準を基本計画で定めることもできます。そのため、重要となるのは国の「基本方針」に何が示されるのか、それに応じて市町村がどのような「基本計画」を独自に策定するのかという点です。
パブリックコメント案の概要
今回のパブリックコメントでは、営農型太陽光発電の一時転用許可の条件を「農山漁村再生可能エネルギー法における設備整備計画認定の見込みがあること」に整理するという農地法施行規則の改正および農山漁村再生可能エネルギー法施行規則の改正案、農山漁村再生可能エネルギー法の設備整備計画の認定に関する省令改正案、農山漁村再生可能エネルギー法に基づく基本方針の改正案の3つが公開されています。
制度の根幹を示す、農地法施行規則並びに農山漁村再生可能エネルギー法施行規則の改正案は、令和9年4月1日を施行期日としています。ここでは既存の一時転用許可による営農型太陽光発電事業は、従来通りの手続きで再許可を受けることになる点や、新制度への猶予措置として、基本計画が策定されていない市町村においては施行から4カ月間は従来通りの一時転用許可申請が可能であることなどが規定されています。
農山漁村再生可能エネルギー法の設備整備計画の認定に関する省令改正案では、新たに設備整備計画の申請様式が定められており、内容としては従来の一時転用許可申請で求められていたような設備や営農計画に関する事項が示されています。設備整備計画に関するパブリックコメント案の様式2では、下記の通り営農計画を5年分のみ記載するようになっているのは気になるポイントです。
出典:農山漁村再生可能エネルギー法に基づく設備整備計画の認定等に関する省令の一部を改正する省令案の概要(https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000318426)
そして、農山漁村再生可能エネルギー法に基づく基本方針の改正案は、いわゆる「望ましい営農型太陽光発電」に関する議論が取りまとめ反映されたものとなっており、検討会第6回資料の時点からもいくつか変更されている部分があります。主な点を列挙すると、下記の通りになります。
- 遊休農地を再生利用する場合の収量規制について、従来制度を踏襲
- 地域計画の区域内に設置する際の営農者の要件の変更
- 架台設計に際して、支柱間隔ではなく「農業機械の通路の幅」をおおむね4m以上確保することと修正
- 栽培品目の生産・販売実績を「年間」50万円以上と追記
- 栽培作物の品質要件について、従来制度を踏襲
- 適正な利益還元の対象を営農者及び地権者と明記
- 国が営農型太陽光発電に関する新たな技術を含む更なる知見の収集・検証や、その情報提供等に努める旨を追加
他にも細かい文言の追記・削除といった変更があり、この3カ月ほどの間でも農林水産省内部でさまざまな議論・整理が行われてきたことが伺えます。
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