NEC総研は、「マクロ経済レポート」7月号を発表した。この中で、日本経済の現状は改善傾向にあり、IT需要も02年上期を底に緩やかな上向きの様相を呈しているが、牽引役は、前回のIT景気の時の「企業」から、「家計」部門に移ったと見ている。
「家計」部門が堅調な傾向を見せている背景として、所得や雇用など消費環境の改善、買い換えサイクル時期の到来、新製品効果、イベント効果などを挙げており、製品では薄型テレビやDVDレコーダーなどのAV製品が好調で、前回IT景気時の主役だったPCおよび関連製品は低迷している。アテネ五輪を控え、AV機能を強化したPCも各社からリリースされているが、薄型テレビなどの“新製品”効果に押されている格好だ。
「企業」部門も改善傾向にはあるものの、「家計」に比べ緩やかなテンポで、業種別に見ると電気機械、一般機械といった「IT供給業種」がIT需要を牽引している。前回の景気拡大時の主役・通信業の「ITインフラ業種」および、その他の業種からなる「IT利用業種」の需要は、鉄鋼や化学などの一部を除いて弱い。
なお、「IT利用業種」の「電子・通信機械」受注額と企業業績の相関関係を見ると、企業業績の変化に半年遅れて受注が変化する関係が見られ、受注額が低迷しているのは、2003年7─9月期の一時的な業績悪化の影響と思われる。企業業績が昨年下期から改善傾向にあることをふまえると、IT利用業種のIT需要は今年度は堅調であると予測している。
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