ノートPC持ち出しガイドラインの必要性
ノートPCの盗難・紛失による情報漏洩が相次いでいる。しかし、ガイドラインを設けて持ち出しを禁止している企業はごく一部であることが、ガートナーの調査で分かった。
業務情報の入ったノートPCや、CD、USBメモリなどの盗難による顧客情報の流出が相次いでいる。モバイルワーカーが増加する中、企業はモバイル情報機器の社外持ち出しをどう考えているのだろうか。
ガートナージャパンが9月29日に発表した、モバイル情報機器の社外持ち出しに関する調査によると、多くの企業が持ち出しの問題について未整備である状況が分かった。
持ち出し全面禁止は3.6%。5割が自己判断で持ち出し
ノートPCを社外に持ち出すことについて、「ガイドラインがあり、持ち出しを全面禁止している」と回答したのは、わずかに3.6%。
ガイドラインがあっても、24.2%が許可を得る必要がないとしており、「ガイドラインなし」としたビジネスマンも21%いた。全体の約半数は、自己判断でノートPCを社外に持ち出していることになる。
こうした中、盗難・紛失に対する不安も高まっている。約3割が「極めて不安」と回答しており、56.5%が「ある程度不安」だと答えた。ただし携帯電話については、盗難・紛失に対する不安が多少少なく、「ある程度不安」だという回答は約5割となっている。
ガイドラインがあっても、ノートPCを持ち出さざるを得ない場合もあるほか、社員によってはガイドラインを遵守しないケースも報告されている。ガートナーは「モバイルワーカーの増加に比例して、今後も盗難・紛失による情報漏洩事件が増える」と予測している。
調査結果を受け、「ノートPCに対しIDやパスワードで情報保護の対策を講じていても、ビジネスマンの精神的負担は増大する傾向にある。企業はガイドラインの設置と見直しを実施し、遵守状況を確認する必要がある」と、ガートナーはまとめている。
今回の調査は、7月26日から8月3日にかけて、同社パネル1700人に対して行われた。有効回答数は693。
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