カスタマイズが当たり前のERPから、作らないERPへ――エンドユーザーはより低コストで、迅速に利用開始できるERPを求めている。日本オラクルは次世代ERP「Oracle Fusion Apps」でどう応えるか。
日本オラクルは次世代ERP「Oracle Fusion Applicaitons」(以下、Fusion Apps)の日本での展開を、4月に都内で開催される「Oracle OpenWorld Tokyo 2012」までに決める方針だ。Fusion Appsの提供開始は、単なる新しいアプリケーションの提供開始ではなく、これまでのERPが当然としてきた提供形態を見直す機会になるようだ。エンドユーザーはどう考えるべきか。アプリケーション事業を統括する日本オラクル幹部に聞いた。
Fusion Appsはオンプレミスとクラウド、ハイブリッド環境に対応したERPで、会計や人事、SCM、調達、CRMなど複数の機能を持つ。オラクルのパブリッククラウドである「Oracle Public Cloud」を通して、Fusion AppsのCRMアプリケーション「Fusion CRM」と、人事管理アプリケーション「Fusion HCM」がSaaS(Software as a Service)で提供される。また、BI(ビジネスインテリジェンス)機能が組み込まれていて、経営ダッシュボード、多次元計算、リアルタイム最適化などの機能を提供する(参考記事:次世代ERP「Oracle Fusion Apps」から探るERP製品選択の未来)。
Fusion Appsが注目されるのは、アプリケーションの新しい提供モデルや、パートナーとの新しい協業体制の構築を日本で目指しているからだ。ERP製品は従来、パッケージのライセンスを顧客が買い取り、自社サーバで運用するオンプレミスモデルが一般的だった。システムインテグレーター(SIer)がそのERPの導入支援を行い、場合によっては導入後のサポートも面倒をみていた。オラクルなどのERPベンダーにとってSIerなどのパートナー企業はERPのエコシステムを考える上で欠かせない要素だった。
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