IaaSもOracle Cloud! “高性能&低価格”に加えてSPARCやVMware向けクラウドなど独自サービスも充実Windows Server環境、アーカイブストレージが格安

Oracle Cloudは、IaaSもすごい。Windows Server環境などが圧倒的なコストパフォーマンスで使える他、SPARC環境やVMware向けクラウドのRavello、クラウドと同じインフラをオンプレミスで使えるOracle Cloud at Customerなど、独自のサービスも豊富に提供している(本コンテンツは@ITからの転載です)。

2017年07月12日 10時00分 公開
[提供:日本オラクル株式会社]

オラクルのIaaSならWindows Server環境が安い SPARCマシンも使える

 オラクルのパブリッククラウド「Oracle Cloud」は、企業システムの構築/運用で必要となるさまざまサービスを提供しており、そのラインアップには当然ながらIaaS(Infrastructure as a Service)も含まれる。SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)の豊富かつユニークなサービスが企業の関心を集めているが、実はIaaSでも、オラクルならではともいえる魅力的なサービスを低価格で提供しているのだ。ここでは、それらのサービスを一気に紹介する。

 Oracle CloudのIaaSの特徴としては、次の2つが挙げられる。

  • 他社のクラウドサービスと比較して高いコストパフォーマンスを備える
  • ユニークかつ有用性の高いサービスを提供している
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 以下、それぞれの特徴を見ていこう。

 まず、Oracle Cloudでは、汎用(はんよう)サーバ環境を提供するサービスとして「Oracle Compute Cloud Service」を用意している。これには、リソースを他のユーザーと共有する「Elastic Compute Cloud Service」の他、リソースを専有ゾーンに配置して他のユーザーとは分離した環境で利用できる「Dedicated Compute Cloud Service」がある。

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 開発/テスト環境として使う場合や、大量のリソースを必要としない一般的なアプリケーションで使う場合はElastic Compute Cloud Serviceを、ミッションクリティカルなアプリケーションの本番環境として利用する場合はDedicated Compute Cloud Serviceをといった具合に、用途に応じて使い分けられる。

 スペックの単位は「OCPU(Oracle CPU)」で表され、1OCPUは物理1コアに相当する。最小構成は1OCPUとなり、これはスペック的にはAWS EC2におけるr3.large相当だと考えればよい。

 このサービスで特に注目してもらいたいのは、コストパフォーマンスの高さだ。同等スペックで単位時間当たりの料金を比較した場合、Oracle Compute Cloud ServiceはAWS EC2とMicrosoft Azureよりも割安となる(2016年12月時点)。さらに特筆すべきは、Oracle Compute Cloud ServiceではOSとしてWindows Serverを選んだ場合でも、Linuxと同じ料金で利用できるプロモーションプライスが設定されている点だ。

photo ※2016年12月時点における比較結果

 AWS EC2やMicrosoft Azureの場合、Windows Serverのライセンス料金も加わるのだが、Oracle Compute Cloud ServiceならばWindows Serverのライセンス料金を負担する必要はない(2017年1月時点)。これにより、例えば16CPUを搭載したWindows Server環境4台を1カ月当たり10日間利用した場合の1年間の料金をAWS EC2と比較すると、下図のようになる。

photo ※2016年12月時点における比較結果

 Windows Serverを中心に使っている企業にとって、この料金の差は相当な魅力と映るはずだ。

 また、リソースを専有するDedicated Compute Cloud Serviceでは、x86サーバの他にSPARCマシンを選択できる点が他のIaaSにはない大きなメリットである。

 SPARC Compute Cloud Serviceで提供されるのは30コアのCPUと442GBのメモリを搭載したSPARC T7-1 Compute×10台となり、さらにZFS Storageも利用できる。SPARC環境をIaaSで提供するクラウドサービスは貴重な存在であり、既存のSPARC資産をクラウドに移行するのに適するサービスである。

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高性能なベアメタルサーバを1時間単位で利用可能 他社クラウドを大きく凌ぐコストパフォーマンス

 Oracle Cloudには、物理サーバをクラウドサービスとして提供する「Bare Metal Cloud Service」も用意されている。このサービスの特徴の1つは、障害要因の独立した3つのAvailability Domainでリージョンが構成され、それぞれが低レイテンシかつ広帯域のネットワークで接続されているため、可用性だけでなく高い性能も担保されていることだ。

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 また、サーバに備わるパフォーマンスを最大限に生かすために、データセンター内のネットワークが最適化されていることも大きなポイントである。高いスケーラビリティを実現するフラットな物理ネットワークで構成されており、CPUやネットワークのオーバーサブスクリプションも生じない。当然、レイテンシにも配慮しており、サーバとストレージは最大2ホップで接続されている。

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 サーバそのもののパフォーマンスの高さも特筆すべき点だ。特に「High I/O」と「Dense I/O」の上位2モデルについては、高速なNVMe SSDを内蔵している。ストレージI/Oがシステムのパフォーマンスを大きく左右するような用途でIaaSを使おうと考える企業にとって、Bare Metal Cloud Serviceで提供される物理サーバのスペックの高さは魅力的だろう。

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 なお、AWS EC2の最も高性能なインスタンスと比較した場合、Bare Metal Cloud ServiceのDense I/Oは2倍のコアと2倍のメモリ、4.5倍のディスク容量、11.5倍のI/O性能を20%低い価格で提供する。さらに、Bare Metal Cloud Serviceはデータ転送量が10TBまで無料となる。

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 使い勝手の良さもBare Metal Cloud Serviceの利点である。ベアメタルサーバ環境の構築は5分程度で完了する他、最低利用時間は1時間単位であるため、必要な時だけ使える。本番環境として使うのに十分なスペックを備えているのはもちろん、開発環境やテスト環境としても重宝するはずだ。

長期アーカイブ用の低価格なStorage Cloud Serviceも用意

 Oracle CloudのIaaSにおいて、オブジェクトストレージを提供するのが「Oracle Storage Cloud Service」だ。このサービスでは、一般的に使える通常のオブジェクトストレージの他、大容量データの長期保管に使える低価格のアーカイブストレージとして「Storage Cloud Archive Service」がラインアップされる。

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 Oracle Storage Cloud Serviceもコストパフォーマンスの高さが際立つ。通常のオブジェクトストレージの利用料金は1TB当たり24ドル(約2800円 2016年12月末時点での換算、以下同)/月、Storage Cloud Archive Serviceは1TB当たりわずか1ドル(約117円)/月である。他社サービスの4分の1程度(下図参照)と、圧倒的な低価格で利用できるのだ。

photo ※2016年12月時点における比較結果
photo ※2016年12月時点における比較結果

 これにより、例えば1PBのデータをオブジェクトストレージに格納した場合の1年間の料金をMicrosoft Azureと比較すると、下図のようになる。

photo ※2016年12月時点における比較結果

 なお、Oracle Storage Cloud Serviceは、既にVERITASやNetApp、Treasure Dataなど、さまざまなベンダーのバックアップ/連携ソリューションでサポートされている。また、オラクル自身も、オブジェクトストレージに格納されたデータにファイルベースで簡単にアクセスするためのソリューションとして「Oracle Storage Cloud Software Appliance」を提供している。

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オンプレミスでパブリッククラウドと同じ環境を使えるOracle Cloud Machine

 Oracle Cloudを自社のオンプレミス環境に設置して利用できる「Oracle Cloud at Customer」も選択可能だ。社外のクラウドに置けないデータを扱うシステムをクラウド化したい、あるいは社内の他システムとの連携でレイテンシの要件がシビアなアプリケーションを運用したいといったケースにおいて、Oracle Cloud at Customerは非常に魅力的なメニューである。

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 提供されるOracle Cloud MachineはIaaSとして使えるだけでなく、Oracle Database Cloud Service(Oracle Databaseのサービス)やOracle Java Cloud Service(Oracle WebLogic Serverのサービス)も搭載しており、PaaS環境としても使うことができる。

 また、利用単価はパブリッククラウドで提供されるサービスと同一であり、オンプレミスに設置するための特別な費用負担が発生することはない。さらに、パブリッククラウドとは異なり、システムメンテナンスのタイミングを柔軟に調整できるというメリットもある(メンテナンスはオラクルがリモートで実施する)。Oracle Cloud at Customerも、オンプレミスとクラウドを融合したハイブリッドクラウドを指向するオラクルならではのサービスである。

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VMware環境を修正なしで素早くパブリッククラウドに展開できるRavelloも提供

 Oracle Cloud at Customerと同様に、他社にはないユニークなサービスが「Oracle Ravello Cloud Service」だ。これはオンプレミスで運用されているVMwareやKVM環境を、仮想マシンの変換やネットワークの再設定などを行うことなくパブリッククラウド上に展開できるというサービスである。

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 今日、サーバの集約やプライベートクラウドの構築といった用途でVMwareを利用する企業は多いが、それらの環境をスピーディにパブリッククラウドに移行するのは容易ではない。さまざまなレイヤーでパブリッククラウドに合わせた再設計やシステムの改修が必要となるためだ。

 この課題を解決するのがOracle Ravello Cloud Serviceである。同サービスを使うことで、パブリッククラウドを、あたかもオンプレミスのVMware環境のように見なし、VMware上に構成された既存のシステムをそのまま移行できる。

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 このサービスの核となるのが、Oracle Ravello Cloud Service独自のハイパーバイザー「HVM」であり、これによってオンプレミスのVMware/KVM環境をカプセル化し、システム構成の改修なしでパブリッククラウドへ移すことを可能にする。なお、移送先としてはリージョンのみを指定し、実際に使うパブリッククラウドはOracle Cloud、Amazon Web Service、Google Cloud Platformのいずれかが自動選択される。

 VMware上に構築したシステムのさらなる運用コスト削減、あるいは既存環境の保守期限切れなどの事情からパブリッククラウドに移行したいといった企業にとって、Oracle Ravello Cloud Serviceは決定打ともいえる解決策になるはずだ。

 以上、ここではOracle Cloudで提供されるIaaSの各サービスの特徴と活用メリットを紹介した。Oracle CloudのSaaSやPaaS上に作ったシステムを補完する目的だけでなく、IaaSそのものとしても、他社のサービスと比べてコストや性能、機能、独自性の面で極めて魅力的なサービスであることがお分かりいただけただろう。各サービスでは現在、無償トライアルを実施している。本記事を読んで関心を持たれた方は、ぜひご自身の目でオラクルのIaaSの実力をご確認いただきたい。


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