ストレージ市場における破壊的イノベーションの動きはまだ当分収まりそうにない。2018年のストレージ市場では、AI分析やクラウド、HCI、企業合併、NVMeフラッシュなどが主要なテーマとなりそうだ。
ベンダーにはこれまで以上にさまざまな難題が待ち受けている。はっきりと警告できる理由は、エンタープライズストレージ市場における各種動向にある。
ストレージは従来、購入して導入し、管理するものだった。それに代わる合理的な手法として、近年はラックスケールフラッシュやハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)、ハイブリッドクラウドといった選択肢が注目を集めている。正規分布曲線を比較すれば、こうした新しいストレージ技術の成熟曲線は、ディスクベースの外付けストレージシステムの衰退曲線と交差することになるだろう。
ちなみにラックスケールフラッシュは、フラッシュストレージをCPUの近くに配置し、パフォーマンスを向上させた製品である。ハイパーコンバージドインフラストラクチャはサーバ、ストレージ、ソフトウェアなど仮想化に必要ものをまとめてパッケージ化した製品である。
エンタープライズストレージ市場で従来のネットワークストレージモデルからの移行が進む中、業界再編の動きも活発だ。ストレージハードウェアの時代は終わるとの見方は極論かもしれないが、ソフトウェア定義ストレージ(SDS)の採用は着実に拡大しつつある。一方で、こうしたさまざまな変化にもかかわらず、ベンチャー投資は減少し、ストレージスタートアップの起業を成功させるのはかつてないほど難しくなっている。
本稿ではエンタープライズストレージ市場における2017年の主要な出来事を振り返るとともに、2018年の動向を予測する。
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