かつて「AOL Instant Messenger」などで人気を集めたチャットbotだが、今度は企業の業務用モバイルアプリで活躍の場を広げそうだ。
チャットbotというと、Microsoftの「Officeアシスタント」だった「クリッパー」や、ActiveBuddyの「SmarterChild」、MicrosoftのAI「Tay」のように紆余(うよ)曲折のあった印象が強いかもしれないが、企業の現場ではこれからさまざまな使い道がありそうだ。
チャットbot(または単にbot)はユーザーとアプリが双方向に対話できるユーザーインタフェースだ。自然言語による入力に対応したり、機械学習や人工知能でコンテクスト情報を判断したりできるものもある。
チャットbotはここ数年、良くも悪くも話題に取り上げられているが、その基本的な機能は、ビジネスユーザーに役立つアプリやユーザーインタフェースの一種と見なすことができる。
同じチャットbotでも、シンプルなものから複雑なものまで、さまざまなタイプがある。
音声入力対応チャットbotには音声認識エンジンが必要だ。機械学習により音声をテキストに変換する技術は向上したが、音声をそのまま文字にするだけの単純なチャットbotもある。文字入力のみのチャットbotの場合は、音声から文字への変換は必要ない。
自然言語処理機能を備えたタイプもある。何通りもの言い方からその意味を推論し、アプリケーションが認識できる形式に変換する。また、高度なアルゴリズムや機械学習、人工知能でコンテクスト情報を強化するものもある。
こうした要素は、クライアント/サーバアプリケーションのライブラリや、クラウドサービスのAPIなどの形で提供する。
これらをバックエンドで統合する方法は他のアプリケーションの場合と同様だ。抽象化層、サービスとしてのモバイルバックエンド、高速モバイルアプリ開発技術など、エンタープライズモバイルアプリ開発で使う手法の多くがチャットbotの統合にも使われる。
チャットbotのクライアントには、モバイルアプリやWebサイトを利用できる。「Facebook Messenger」「Slack」「Twitter」、SMSなどのサードパーティーアプリからも使える点がチャットbotの大きな特徴だ。
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