「Windows Server 2019」はAzure連携を大幅強化、CALは値上げかコンテナ関連の機能も充実、「R2」は廃止(1/2 ページ)

Microsoftの新しいサーバOS「Windows Server 2019」は、同社のクラウドサービス群「Microsoft Azure」との連携を含め、さまざまな点で強化を図る。注目すべき強化点をまとめた。

2018年05月03日 05時00分 公開
[Tom WalatTechTarget]
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 Microsoftは2018年3月20日、同社の新しいサーバOS「Windows Server 2019」のプレビュー版を提供開始し、2018年後半には一般公開を開始すると発表した。ITプロフェッショナルは、同社の開発者向け早期更新プログラム「Windows Insider Program」に登録すれば、Windows Server 2019のプレビュー版をダウンロードできる。

 初のWindows Server 2019のプレビュー版には、ハイブリッドクラウドやコンテナ、セキュリティに関連する新機能が含まれている。一方で価格上昇への懸念も出ている。

Windows Server 2019の仮想化機能

 Windows Server 2019は、フェイルオーバー(稼働系から待機系への切り替え)を支援する新機能の「Cluster Sets」を搭載する。目的は、クラスタ間で仮想マシン(VM)を移動する際の可用性と柔軟性の向上だ。これは「単一のドメイン(Active Directoryによるユーザーやコンピュータの管理単位)に、大規模なフェイルオーバー向けクラスタを構築する際のリスク軽減に役立つ」と、ベルギーを拠点とするテクニカルアーキテクトのディディエ・バン・ホウイ氏は説明する。

 「普通は1つの巨大なクラスタを抱えるよりも、複数のクラスタを用意する方が適切だが、犠牲になる機能があるのも確かだ」とホウイ氏は語る。Cluster Setsはこうした制限を取り除き、単一のクラスタと同様のVMのモビリティー(移動性)や移行の容易さを実現する。

 Windows Server 2019のプレビュー版では、信頼できる環境だけでVMを稼働可能にする「Shielded VM」について、VMのゲストOSがLinuxの場合でも利用できるようにした。Shielded VMは「Windows Server 2016」で導入された機能であり、当初はWindowsをゲストOSとするVMのみを対象としていた。マルウェア攻撃に対処する「Windows Defender Advanced Threat Protection」「Windows Defender Exploit Guard」、サーバ間を移動するデータを暗号化して保護する「Encrypted Networks」も含む。

クラウドへの道を固めるWindows Server 2019プレビュー版

 こうしたセキュリティの重視は「IT部門によるクラウドへの強い願望と密接に関連する」とホウイ氏は語る。「IT部門は、データがプライベートなものとして保たれる保障を必要としている」(同氏)

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