小中学校が授業でのIT活用を進める上で、最も基本となる2製品がある。電子黒板をはじめとする「大型提示装置」と、「実物投影機」がそれだ。それぞれの特徴と選定ポイントを解説する。
授業におけるITの利活用に当たって、まず準備すべきなのが「大型提示装置」と「実物投影機」だ。
大型提示装置は、いわゆる電子黒板だけでなく、大型ディスプレイやプロジェクターなど、デジタルコンテンツを大きく映す提示機能を持つ装置であれば該当する。つまり「書き込む機能がない装置」も含まれる、ということだ。
実物投影機は「書画カメラ」とも呼ばれ、教科書などの被写体を手元で撮影し、大型提示装置などに映せるよう映像信号に変換する装置のことを指す。
他のIT製品/サービスを導入しなくても、大型提示装置と実物投影機があるだけで実施可能な授業スタイルは、例えば以下が想定される。
これまでの授業スタイルを大幅に変更する必要がないだけではなく、大型提示装置に児童生徒の注目を一斉に集めることができる。そのため児童生徒の表情の変化がすぐに分かり、理解度を把握しやすくなる。
大型提示装置と実物投影機に加えて、さらに1台でも指導者用コンピュータがあると、デジタル教科書やデジタル教材をクラス全体に一斉提示したり、ディスカッション中にストップウォッチのアプリケーション画面を大画面に表示したりできるようになり、指導方法の幅がより広がる。
このように大型提示装置と実物投影機は、教員の授業におけるIT活用の第一歩であり、まず導入を進めるべき装置といえる。
大型提示装置は、提示方式と電子黒板機能の有無によって区分できる(図1)。提示方式で分類すると、以下の3種類に分けられる。
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