デジタルビジネスへの取り組みを成功させ、高い業績を上げている企業は、他の企業と何が違うのか。Gartnerの調査結果を基に探る。
Gartnerが米フロリダ州オーランドで開催したイベント「Gartner Symposium/ITxpo 2018」では、成功を収めている現代の企業が、もはやデジタルビジネス(ITを活用した革新的ビジネス)を試行する段階ではなく、デジタルビジネスを拡張する段階に移っていることが鮮明になった。
「最高情報責任者(CIO)は、デジタルビジネスの次の段階へ向けた基盤を確立するため、ビジネスモデルの変化について取締役会を教育する必要がある」。GartnerのCIO・エグゼクティブリーダーシップ研究チームの副社長兼研究ディレクター、アンディ・ロウゼルジョーンズ氏は、Gartner Symposium/ITxpo 2018の講演でこう指摘した。
ロウゼルジョーンズ氏によるとビジネスモデルとは、企業が価値を創り出し、提供し、つかむ手段だと定義できる。これには企業がコンシューマーのためにすることと、それを実現する方法が含まれる。
世界3102人のCIOへの調査結果をまとめた、Gartnerの報告書「2019 CIO Agenda」によると、CIOの49%はビジネスモデルを変化させている。デジタルテクノロジーの成熟と、コンシューマーの需要の多様化が、ビジネスモデルの変化を促しているのだ。
「イノベーションの持続には、新たな製品の開発やリリースの継続が必要であり、非常に難しい」とロウゼルジョーンズ氏は説明。CIOは役員会に対して「デジタルトランスフォーメーション(DX)は自社に大きく関わる問題であり、行動を起こす必要がある」と認識してもらう必要がある、と指摘する。
デジタル化によってサービスコストの削減を目指す場合、費用対効果(ROI)を測定することが重要だ。2019 CIO Agendaによると、成熟したデジタルビジネスモデルを持ち、高い業績を挙げている企業の89%は、この種のROIを測定している。
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