SAP S/4HANAをクラウドで使いたいならパブリックとプライベートのどちら?両者を徹底比較

「SAP S/4HANA」の導入オプションにはパブリッククラウドとプライベートクラウドがある。両者の機能の違いを整理し、比較してみた。

2019年03月04日 05時00分 公開
[Jawad AkhtarmTechTarget]

関連キーワード

SAP | ERP | SaaS | PaaS | SAP HANA | IaaS | SAP ERP


画像

 CIO(最高情報責任者)が「S/4HANA」の導入オプションのうち、パブリッククラウドとプライベートクラウドの導入を比較検討する際は、それぞれの機能を理解することが重要だ。

 S/4HANAはインメモリデータ処理製品「SAP HANA」を基盤とするERP(統合業務)アプリケーションで、SAPの「ERP Central Component」(ECC)の後を継ぐ存在でもある。S/4HANAは、パブリッククラウドとプライベートクラウドで利用できる。オンプレミスバージョンでも利用できることに加え、クラウドとオンプレミスソフトウェアを組み合わせるハイブリッドモデルも利用できる。これら全てのバージョンに、SAPのアプリケーション群「SAP Fiori」のユーザーインタフェース(UI)が組み込まれている。

 S/4HANAをパブリッククラウドとプライベートクラウドのどちらで利用するかをCIOが評価する場合、幾つかの要素を慎重に検討する必要がある。コスト、導入のしやすさ、業界の特異性、データセキュリティの点でニーズを満たす、最適な選択肢を判断しなければならない。

S/4HANAのパブリッククラウド版とプライベートクラウド版の概要

 パブリッククラウド版のS/4HANAはSaaS(Software as a Service)だ。これは同ソフトウェアのマルチテナントバージョンで、全てのテナント(ユーザー企業)が同じクラウドを共有する。そのため、低コストで効率が高いと同時に拡張性にも優れている。つまり、テナントごとにデータをアップロードし、必要な機能と不要な機能をそれぞれオン、オフにでき、すぐに使える汎用(はんよう)のクラウドネイティブなERPソフトウェアになっている。使用準備は数週間で整う。

 パブリッククラウド版S/4HANAのインフラ管理と、システムの定期メンテナンスはSAPが担当する。これにはアップグレードやパッチの適用も含まれる。データのサイバーセキュリティ、ガバナンス、コンプライアンスもSAPが確保する。

ITmedia マーケティング新着記事

news033.jpg

サッカー欧州CLを早朝に観戦するアジアのファンのためにハイネケンが仕掛けた意外過ぎるキャンペーンの中身
時差のためUEFAチャンピオンズリーグを早朝に視聴せざるを得ない韓国のサッカーファンの...

news041.jpg

楽天グループが「楽天市場」出店店舗向けに「楽天AI大学」を公開
2024年3月より提供している店舗運営支援ツール「RMS AIアシスタント β版」に加え、AIツ...

news070.jpg

中国発AIソーシャル工作のゾッとする実態をMicrosoftがレポート
Microsoftが中国を拠点とする影響力工作の増加についてのレポートを発表した。これは米国...