「Anthos」と「Azure Stack」を比較 2大ハイブリッドクラウド製品の違いは?オンプレミスに拡張するクラウド【後編】

主要クラウドベンダーが新たな製品やサービスを発表することで、ハイブリッドクラウドの選択肢が広がっている。本編ではGoogleとMicrosoftが提供するハイブリッドクラウド製品を紹介する。

2019年07月09日 05時00分 公開
[Paul KorzeniowskiTechTarget]
画像

 前編「“オンプレミス版AWS”を実現する『AWS Outposts』とは? 何ができるのか?」では、主要クラウドベンダーが提供するハイブリッドクラウド製品として、Amazon Web Services(AWS)が提供を発表したアプライアンス「AWS Outposts」を紹介した。後編では、GoogleとMicrosoftが提供するハイブリッドクラウド製品について、その特徴的な機能を紹介する。

Googleが提供するAnthos

 Googleが2019年4月に一般公開した「Anthos」は、2018年に同社がハイブリッドクラウド構築用として発表したソフトウェア「Cloud Services Platform」(CSP)をベースにしている。同社はCSPへの機能追加に合わせて名称を変更して一般公開した。同社がソフトウェアを提供し、それを搭載するハードウェアを顧客が選択する提供形態となっている。

 Anthosの管理機能は、コンテナオーケストレーションツールの「Kubernetes」を中核的なコンポーネントとしている。マネージドKubernetesの「Google Kubernetes Engine」(GKE)と、オンプレミスでGKEを利用するためのソフトウェア「GKE On-Prem」が主要要素となっている。

 GKE On-Premは、企業のオンプレミスサーバに配置するソフトウェアだが、Googleがリモートでコンポーネントのライフサイクルを管理する。ポリシー運用を自動化する機能「Anthos Config Management」を使用すれば、オンプレミスとクラウドにまたがってKubernetesのマルチクラスタに適用されるポリシーを作成できる。

 Anthosでは、マイクロサービス間の通信を制御するサービスメッシュを構築するためのソフトウェア「Istio」を利用することもできる。Istioはオープンソーステクノロジーで、マイクロサービスの接続、保護、監視などの作業を簡素化するための機能を備えている。

Kubernetes中心戦略は吉か凶か

ITmedia マーケティング新着記事

news033.jpg

サッカー欧州CLを早朝に観戦するアジアのファンのためにハイネケンが仕掛けた意外過ぎるキャンペーンの中身
時差のためUEFAチャンピオンズリーグを早朝に視聴せざるを得ない韓国のサッカーファンの...

news041.jpg

楽天グループが「楽天市場」出店店舗向けに「楽天AI大学」を公開
2024年3月より提供している店舗運営支援ツール「RMS AIアシスタント β版」に加え、AIツ...

news070.jpg

中国発AIソーシャル工作のゾッとする実態をMicrosoftがレポート
Microsoftが中国を拠点とする影響力工作の増加についてのレポートを発表した。これは米国...