企業はSAPソフトウェアの運用環境に、SAPの「SAP HANA Enterprise Cloud」の他、AWSやAzureといったパブリッククラウドを選ぶことができる。それぞれのメリットとデメリット、選定のポイントを説明する。
SAPソフトウェアのクラウド導入に当たっては、どれだけ検討に時間をかけても、かけ過ぎるということはない。最も大きな検討事項は、ソフトウェアの運用環境にSAPの「SAP HANA Enterprise Cloud」(HEC)といった同社が提供するクラウドサービスを利用するのか、「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」のようなサードパーティーベンダーのクラウドサービスを利用するのかを決めることだ。
クラウドコンピューティングでSAPソフトウェアを運用する場合には、多くの選択肢が用意されている。AWS、Google、Microsoft、Oracleなどが提供しているパブリッククラウドを使用できる場合もある。自社に合ったパブリッククラウドにSAPソフトウェアを導入するには、アプリケーション環境やインフラ、セキュリティに関する事前の入念な評価が欠かせない。
「SAPソフトウェアは高度に構造化されている。中には高い処理能力を持ったITインフラを必要とするソフトウェアもある」と語るのは、ITコンサルティング会社OM2 Tech Consulting SolutionsでCEOを務めるロドリゴ・モンタグナー氏だ。自社で既存のプライベートクラウドを所有している場合、パブリッククラウドよりもそのプライベートクラウドでSAPソフトウェアをホストする方が簡単な場合もあると同氏は補足する。
SAP以外のパブリッククラウドにSAPソフトウェアを導入する場合は、全社戦略とロードマップに目を向ける必要がある。会計事務所Deloitte Touche Tohmatsuで主席コンサルタントを務めるパバン・シュリーバスタバ氏は、主に考慮すべき事項として以下を挙げる。
所属する業界とSAPソフトウェアを導入する目的によって、どのパブリッククラウドを利用すべきかが異なるとシュリーバスタバ氏は話す。
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