「SSDがHDDよりも安くなる未来」は来ないと言える“納得の根拠”「NAND型フラッシュ」価格下落の裏側【後編】

価格面でフラッシュストレージがHDDにすぐに追い付くわけではない。フラッシュストレージと磁気ディスクの特性に違いがあるためだ。フラッシュストレージの価格に影響する要素を考察しよう。

2019年10月17日 05時00分 公開
[Dave RaffoTechTarget]
画像

 前編「フラッシュメモリが安くなってもSSDが安くならない“意外な理由”」では、NAND型フラッシュメモリの価格変動がフラッシュストレージの価格にどのように影響するのか、ストレージベンダーの動きを基にまとめた。フラッシュストレージの価格に影響する要素を知る上では、容量とパフォーマンスの関係や、需要と供給の関係も大事だ。NAND型フラッシュメモリを取り巻く市場は、今後どのように動くのだろうか。

 NAND型フラッシュメモリや、Intelの「Optane」のようなストレージクラスメモリ(ストレージ用途で利用できるメモリ)は、「クリティカルマス(製品が爆発的に普及する臨界点となる市場普及率)に到達すると価格が下落する」と、ストレージベンダーInfinidatの最高技術責任者(CTO)を務めるケン・ステインハルト氏は説明する。それでもフラッシュストレージがHDD水準まで価格が低下することはないとステインハルト氏は見ている。

 フラッシュストレージの代表格であるSSD(ソリッドステートドライブ)を主力とする他のベンダーと違い、Infinidatのストレージ製品はHDDをベースにしている。フラッシュメモリを採用しているのはデータのキャッシュのみだ。同社のストレージ製品のパフォーマンスは、値段は高いがフラッシュメモリよりも高速なDRAM(Dynamic Random Access Memory)に依存している。

HDDとフラッシュストレージの価格に響く決定的な違い

ITmedia マーケティング新着記事

news091.jpg

AI生成コンテンツの大増殖で「ソーシャルメディア」が「ソーシャル」ではなくなる日
AIが生み出すコンテンツをAIが学習しさらなるコンテンツを生成する未来は、私たちが望む...

news083.jpg

生成AIで美容業界の未来を創造 エスティ ローダーとマイクロソフトがAIイノベーションラボを設立
両社は消費者とのつながりを強化し、より迅速かつ効果的な市場投入を実現することを目的...

news014.png

ドメイン変更によるSEOへの影響とは? メリットとリスクおよび失敗しない手順
ドメインはWebサイトの現住所を表し、それ自体がWebサイトの看板の役割も果たします。今...