コンピュータの命令セットアーキテクチャ(ISA)として「CISC」と「RISC」がある。これらはそれぞれ一長一短がある。エッジで使用するIoTデバイスにはどちらのプロセッサが適しているのだろうか。
コンピューティング(処理)機能がオンプレミスのデータセンターやクラウドからデータの発生元に近いエッジに移動しつつある。エッジで本格的な処理をするとなれば、サーバなどのデバイスの仮想化も検討する必要がある。ただしエッジのデバイスを仮想化するには、固有の難しさがある。
データセンターでは仮想環境の構築のために汎用(はんよう)のハイエンドプロセッサを搭載したサーバを導入しているケースが一般的だ。だがエッジに同様のサーバを設置することはほとんどない。
エッジにはIoT(モノのインターネット)としてネットワークに接続するセンサーや専用デバイスがある。データを収集するこれらのデバイスのデータを収集するサーバには、ネットワークトラフィックが集中する。こうしたエッジの要件を満たすには、Armの設計したアーキテクチャをはじめとする、定評ある「RISC」(Reduced Instruction Set Computing:縮小命令セットコンピュータ)のアーキテクチャに基づくプロセッサが求められる。
RISCプロセッサを搭載したエッジサーバを仮想化するには、採用するハイパーバイザーがRISCのアーキテクチャに基づいたものでなければならない。サーバ仮想化ソフトウェアを提供するVMwareは、エッジコンピューティングの初期段階におけるこうしたニーズに対し、ハイパーバイザー「VMware ESXi」をArmアーキテクチャのプロセッサで動作できるようにし、そのためのデモ環境を構築している。
命令を単純化することを志向したRISCプロセッサは、本来は仮想化には適していない。だがエッジ環境を仮想化するためには、現実的にはRISCプロセッサ環境を仮想化できなければならない。
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