日本では親が子どもの将来を案じて、命を奪うのは悪いことではないとされている――。そんな風に米国人が受け取ってしまうほど、「親に甘い社会」なのだ。
当初、検察は計画殺人として米国刑法にのっとって厳罰に処する方針だったが、日本同様に「執行猶予」となったのである。「三万余の嘆願書と日本人心情が米裁判官を動かした」(読売新聞 1985年12月16日)のである。これは裏を返せば、米国の司法が、「親子心中」は他国が口を挟んではならない日本人特有の「文化」だと認めたに等しい。
確かに、「親子心中」は日本独自の現象かもしれないが、それが「子どもを親の所有物としてとらえる国民性」のせいだというのは暴論だ。そんな声があちこちから飛んできそうだが、日本の児童虐待史を振り返れば納得していただけるのではないだろうか。
最高視聴率62.9%の国民的ドラマ『おしん』(NHK)を想像してもらえば分かりやすいが、近代の日本で「子ども」とは、間引く、殴る、働かす、売り飛ばす、が当たり前の扱いで、それらの虐待を乗り越えた者が「立派な大人」になれると信じられていた。
最高視聴率62.9%を記録した連続テレビ小説『おしん』
欧州ではフランス革命のあたりから「子どもの権利」がうたわれ、米国でも1909年にホワイトハウスで第1回全米児童福祉会議が開催されているが、日本ではそういう動きは起きなかった。
国が「子どもを守れ」とようやく言いだしたのは昭和8年(1933年)、「児童虐待防止法」が制定されてからだ。この年は、満州国をめぐって国際社会で孤立が始まり、陸軍が少年航空兵制度を始めた年でもある。つまり、「子どもは大事なお国の戦力」となって初めて「親であっても殺すほどいじめちゃダメだろ」という声があがってきたのだ。
「一蘭」にハマった外国人観光客は、なぜオーダー用紙を持って帰るのか
ラーメン店「一蘭」といえば、食事をするスペースが仕切られている味集中カウンターが有名である。珍しい光景なので、外国人観光客も写真を撮影しているのでは? と思っていたら、店員さんに「オーダー用紙を持ち帰りたい」という声が多いとか。なぜ、そんな行動をしているのかというと……。
登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。
なぜ日本のおじさんは怒ると「責任者を呼べ!」と騒ぐのか
街中を歩いていて、おじさんが「責任者を出せ!」と騒いでいるのを聞いたことはないだろうか。例えば、駅員に大声を出したり、コンビニの店員を叱ったり、とにかく日本のおじさんはよく怒っている。なぜおじさんは「責任者を呼べ!」と叫ぶのか、その背景を調べてみると……。
なぜレオパレス21の問題は、旧陸軍の戦車とそっくりなのか
レオパレス21が「界壁」問題で揺れている。界壁とは、部屋と部屋の間を仕切るモノだが、同社の物件には屋根まで達成していないモノが複数存在していることが分かった。この問題に対し、筆者の窪田氏は「日本型組織のスタンダート、というか伝統だ」と指摘する。どういう意味かというと……。
大東建託が「ブラック企業」と呼ばれそうな、これだけの理由
電通、NHK、ヤマト運輸など「ブラック企業」のそしりを受ける大企業が後を絶たないが、ここにきて誰もが名を知る有名企業がその一群に加わるかもしれない。賃貸住宅最大手の「大東建託」だ。なぜこの会社がブラック企業の仲間入りするかもしれないかというと……。
「551蓬莱の豚まん」が新幹線で食べられなくなる日
新大阪駅で「551蓬莱の豚まん」を買ったことがある人も多いのでは。新幹線の車内でビールと豚まんを食した人もいるだろうが、こうした行為が禁止されるかもしれない。どういうことかというと……。
日本人が「通勤地獄」から抜け出せない、歴史的な背景
暑くなってきたので「満員電車」が辛くなってきた。「働き方改革を実現しよー」「時差出勤をしよー」と叫ばれているのに、なぜ“通勤地獄”は解消されないのか。その歴史をひも解いてみると、意外な事実が……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.