年末年始などに駅の窓口でさらに先の予約を受け付けている場合もあるけれど、これは予約の予約だ。実際の座席確保は1カ月前。ここに疑問を持ったJR関係者はいないのだろうか。いや、私も1カ月前が当たり前だと思っていたけれども、そういえば不便なことは多かった。
例えば、国内線航空機を組み合わせる旅だ。国内線航空運賃で早期割引を使うとする。JALは75日前から、ANAは355日前から予約できて、早いほど安い。そこで2カ月先の安いチケットを予約しても、列車のチケットは1カ月前まで購入できない。飛行機もホテルもレンタカーも手配できて、もし鉄道のチケットが取れなければ、他の予約も全てやり直し、あるいは取りやめだ。
【訂正:2019年3月15日11時40分 初出で「JALは2カ月前から」としていましたが、「75日前から」に訂正しました。】
私は鉄道が好きだから、はらはらしつつ1カ月前に列車の予約をするけれども、鉄道にこだわらない人なら、はじめから鉄道を当てにせず「飛行機とレンタカーのほうがいいや」となるだろう。政府が躍起になっている訪日外国人の旅行客はなおさらだ。航空業界の世界標準で360日前に予約しても、シンカンセンのチケットは取れない。1カ月前縛りのせいで、JRはかなり機会損失をしていると思われる。
実は、団体利用に限れば、JRの指定席は9カ月前から予約できる。JRの規則では、8人以上の同一行程の場合は団体割引ができる。その申し込みは9カ月前から14日前まで。旅行会社のパッケージツアーを検索すれば、確かに2カ月以上先の列車の旅の予約を受け付けている。この手順がマルスで9カ月前からできるのか、あるいは団体予約分を除いた空席を1カ月前にマルスに登録しているかは分からない。
国内航空券の座席数に比べると、JRの列車の空席情報は膨大だ。予約期間の制限はデータベースの容量に依存しているかもしれない。もしそうだとしても、データベースの容量を拡張し、団体以外にも9カ月前ルールを開放するだけで「1カ月の壁」は突破できる。ダイヤ改正のリスクがあるから、会員制のネット予約限定でもいい。
新型特急「Laview」が拓く、“いろいろあった”西武鉄道の新たな100年
国鉄を知らない人へ贈る「分割民営化」の話
東急がJR北海道に“異例”進出! 全国127の観光列車を「分布図」にすると……
JR東日本が歩んだ「鉄道復権の30年」 次なる変革の“武器”とは?
JR西日本「山陰キャンペーン」で知る、JRグループの課題
新幹線札幌駅、こじれた本当の理由は「副業」の売り上げ
東急・相鉄「新横浜線」 新路線のネーミングが素晴らしい理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング