“世界で最も心地よい”スニーカーは、日本でも爆売れするか:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
「世界で最も心地よいシューズ」と評されたスニーカーブランド「オールバーズ」が日本初上陸した。環境への配慮や履き心地を追求したシューズが、なぜここまで評価されているのか。その背景には、明確なビジネス戦略があった。
世界的にかなり注目されている興味深いシューズブランドが日本に初上陸するという話を耳にしたのは2019年末のことだ。
なんでも、米タイム誌に「世界で最も心地よいシューズ」と評されたと聞いたこともあって、「一体どんなシューズなのか」と先日、その発表会に出席した。取材前に調べたところ、歴史ある米グッド・ハウスキーピング誌の研究所が行った調査でも、回答者の91%がそのシューズの「心地よさ」で最上級のスコアを付け、「雲の上を歩いているかのような心地よさ」という評価をしている人もいたそうだ。
そのシューズブランドは、米サンフランシスコに本部を置く「オールバーズ(Allbirds)」だ。自然に優しいシューズを販売するという触れ込みで、原宿駅の真ん前に、世界で15店舗目となる日本第1号店をオープンした。
最初は「今はやりのSDGsのブランドか」という印象だったが、どうもそれだけではないらしい。これまでにないような独自のシューズを作り、好評を博している。
しかも環境問題に関心が高いセレブなどもこのシューズを履いており、話題になっている。例えば、米人気俳優マシュー・マコノヒー、アシュトン・カッチャー、ベン・アフレックなどがプライベートで履いているのがパパラッチされたり、映画『ハリー・ポッター』シリーズの英女優エマ・ワトソン、米女優グウィネス・パルトロウ、またバラク・オバマ前大統領も愛用している。しかも米俳優レオナルド・ディカプリオに至っては、このブランドに出資すらしている。
ではなぜこのブランドがそこまで評価されているのか。同ブランドについて調べると、確たる「戦術」をもってここまで上り詰めたらしいことが分かる。そこで、今世界で最も注目されているシューズを作る同社が成功した秘密を探ってみたい。
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