Y!mobileの秋冬モデルは“価格”重視 「2万円以内の端末割引」も適用

» 2019年10月07日 16時36分 公開
[田中聡ITmedia]

 ソフトバンクが10月7日、Y!mobileブランドでの2019年秋冬モデルを発表した。これに合わせて説明会を開催し、常務執行役員 Y!mobile事業推進本部 本部長の寺尾洋幸氏が、秋冬商戦の戦略を語った。

Y!mobile Y!mobileの秋冬スマートフォン4機種

 料金については、10月1日から新たなプランを提供。「スマホベーシックプランS」は月額2680円(税別、以下同)で3GB、「スマホベーシックプランM」は月額3680円で9GB、「スマホベーシックプランR」は月額4680円で14GBのデータ通信が可能。従来のS、M、Lから月額料金を値下げした。

 さらに、「データ増量オプション」を適用すると、Sは4GB(+1GB)、Mは12GB(+3GB)、Rは17GB(+3GB)の通信が可能になる。データ増量オプションは月額500円だが、11月28日までに申し込めば、新規とMNPなら2年間0円で適用できる。S、M、Lいずれも、1回10分あたりの国内通話が無料のサービスが含まれる。

Y!mobile 10月1日から提供している新料金プラン
Y!mobile Y!mobileの事業を率いる寺尾洋幸氏

 ソフトバンクブランドと同様に、2年縛りに代表される期間拘束や、契約解除料も新プランでは撤廃。「改正法(10月1日から施行された改正電気通信事業法に)では、解約金は1000円まで、期間拘束のあるプランの値引きは170円までとなっているが、このような料金幅だと、逆にお客さんにとって分かりにくくなる」(寺尾氏)と考え、シンプルな構成にした。既存ユーザーについては、契約から2年以上たっていれば、解約金なしで新プランに移れる。

 なお、ライバルのUQ mobileも料金改定で3GBのプランが月額1980円〜という安さを実現しているが、10分かけ放題(700円)を外して考えると、Y!mobileとUQ mobileの新料金プランは、S、M、R(UQはL)とも実は同じ。「簡単に誰でも分かりやすく使ってもらいたいので、音声をパッケージにした方がいいと考えた。外すのは簡単だが、手間になる。音声込みだと決して負けていない」と寺尾氏は話す。

 端末については、改正法に合わせ、より安価でコストパフォーマンスの高いものを中心にそろえた。「(Y!mobileは)もともと低廉な端末をラインアップしていたが、端末購入補助2万円になる中で、価格が重要になる」と寺尾氏。

 ZTE製の「Libero S10」は、デュアルカメラ、3100mAhバッテリー、指紋認証、防水・防塵(じん)機能を備えながら、2万8800円(税込み)という価格を実現。ここに端末割引を加えると、新規とMNPなら1万円未満で購入できる。

Y!mobile 2万8800円(税込み)の「Libero S10」

 累計出荷数が200万台を突破したという「Android One」シリーズは、京セラ製の「S6」と、シャープ製の「S7」を投入。S6は、Sシリーズでは初めてFeliCaを搭載。S7は、IGZO液晶と4000mAhバッテリーによる高いスタミナを特徴とする。

Y!mobile 京セラ製のAndroid One「S6」
Y!mobile シャープ製のAndroid One「S7」

 そしてY!mobileでは初のXperiaとなる「Xperia 8」も投入する。ソニーモバイルは、ここ最近はシェアを落としており、国内メーカーではシャープに逆転を許してしまったが、2015年10月〜2019年9月のBCNランキングデータでは、シャープ(28%)をわずかな差で抑えて1位(29%)となっており、長いスパンで見ればユーザー数が多いことが分かる。

Y!mobile Y!mobile初のXperiaとなる「Xperia 8」
Y!mobile この4年間を見ると、国内のAndroidでソニーモバイルはトップシェアを誇る。ただしシャープとはわずかな差だ

 さらに、同じくミッドレンジの「Xperia Ace」が発売された2019年6月以降、Xperiaの販売構成比が伸びているという。寺尾氏は「29%のマーケットを狙っていけるのでは」「中価格帯のXperiaも受け入れられるのでは」と考え、Xperia 8がラインアップに加わった。

Y!mobile Xperia Ace発売後に、Xperiaの販売構成比が伸びている

 Xperia 8は、「今Xperiaを使っているが、次もXperiaを使いたい、でも料金も抑えたい……」という他キャリアユーザーの受け皿になりそうだ。

Y!mobile 21:9のワイドディスプレイを搭載
Y!mobile 光学2倍ズーム対応のデュアルカメラを搭載
Y!mobile ハイレゾ音源の再生や防水性能をサポート
Y!mobile 価格は5万4000円(税込み)
Y!mobile Xperia 8の発売を記念して、ヘッドフォンやイヤフォンをプレゼントするキャンペーンを実施

 これまで、Y!mobileのスマートフォンはOSアップデートをしないケースが多かったが、今回の新機種は「少なくとも1回はOSアップデートをする約束をいただいている」と寺尾氏。端末割引が抑えられることで端末の買い替えサイクルが伸びる中では朗報だ。なお、新機種は全てSIMロックが掛けられている。

 端末割引については「2万円を上限にコントロールしている」と寺尾氏。値引き額は現在のところ、どの端末も同額にしている他、新規契約とMNPの方が割引額は大きい。この点は「改正法上、問題ないことは確認済み」(ソフトバンク)だという。Y!mobileオンラインストアで確認したところ、「HUAWEI P30 lite」の場合、新規契約かMNPだと1万8216円(税込み、以下同)の割引が受けられるが、機種変更だと割引額は7128円にとどまる。今回の新機種も、同様の割引が適用されるものと思われる。

 これまでは、契約したプランにひも付く形で「月額割引」を24カ月間にわたり適用していたが、改正法では「通信の継続利用を条件とした端末割引」を適用できなくなるため、これを撤廃。現在はプランに関係なく、一括で割引を受けられるようになった。

 先に紹介したHUAWEI P30 liteの場合、新規契約かMNPでスマホプランM/Lの契約だと月額1080円(総額2万5920円)の割引を受けられた。このように割引額が下がるケースもあるが、その場で最大2万円近い割引を受けられるのは、従来よりもうれしいポイントともいえる。「端末割引については、完全に方針が定まったわけではない」(ソフトバンク)とのことで、他社の動きなどにも関連して、新たな施策が生まれるかもしれない。

Y!mobile Y!mobileオンラインストアでHUAWEI P30 liteのページを見ると、新規契約とMNPでは1万8216円を割り引くことが確認できた。端末価格は、割引後のものが表示される

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