ソフトウェアベンダーのWorks Human Intelligence(WHI)は11月13日、早稲田大学の教職員約7000人を管理する人事システム基盤をクラウドに全面移行したと発表した。同大が進めている、データを一元化して業務プロセスを簡略化する取り組みの一環という。
WHIが早大に提供したのは、人事、給与、就労、タレントマネジメントなど、さまざま領域をカバーするクラウド型人事システム「HUE」(ヒュー)。
同大はこれまで、人事、給与、労務管理などに別々のオンプレミス型システムを使っていた。そのため、教職員が就職・退職した場合はシステムごとにマスターデータを登録・削除する必要があった。同大はHUEの導入によってバラバラに管理していたデータを一元化し、この手間を解消する狙いがあったという。
同大とWHIは、人事システム基盤のクラウド移行に伴ってデータクレンジングを行い、必要なマスターデータのみ統合した。そのため、一度の操作で複数のシステムのデータを更新可能になった他、より質の高い従業員情報を法人運営で使用可能になった。今後は「データを活用して運営体制を強化する」という。
混乱や業務への悪影響を避けるため、同大とWHIはシステム移行に先駆けてテストを複数回行い、2016年12月から段階的に移行を実施した。移行は19年6月に完了済みで、人事担当者からは「業務上の負担が減った」との声が出ているという。
同大とWHIは今後、移行前後での労働時間の変化を定量的に調査する予定。他の領域でも、ITを活用した業務効率化を継続して行うとしている。
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