東北大学は11月27日、電流を通して水の流れを発生させ、潤いを保つコンタクトレンズを開発したと発表した。ドライアイを緩和する狙いがある。人間の身体と親和性があるバイオ電池を使い、外部からの給電を必要としないことも特徴だ。
同大の西澤松彦教授のグループは、液体中のイオンの移動度に大きな差がある場合に、電流を通すと生じる「電気浸透流」に注目。この原理を応用し、下瞼(まぶた)裏から涙をくみ上げる方法を検証した。電気浸透流の発生効率が高いハイドロゲル素材を開発し、コンタクトレンズに組み込んだところ、乾燥のスピードを抑えられたという。
コンタクトレンズには、酵素触媒を用いた、生体適合性がある電池も搭載。外部から電力を供給しなくても駆動するようにした。電池自体の駆動時間は12時間以上だが、コンタクトレンズが徐々に乾燥して抵抗値が大きくなり、次第に電流が弱くなる──という課題も見つかったという。
研究成果は、独科学誌「Advanced Materials Technologies」(電子版)に28日付で掲載された。
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