名刺印刷などを手掛ける印刷会社のスーパープリント(横浜市)が事業継続困難になったと発表し、Xなどで話題になっている。原因は日本本社と韓国支社の対立で、現在日本本社は生産システムやサーバなど全システムから締め出されてしまっているという。
スーパープリントのWebサイトにアクセスすると「SuperPrintにご注文くださっているお客様へ」という文章が表示される状態になっている。掲載日は5月18日で「受注分の印刷完了と、印刷事業の継続が困難となりました」などと発表。謝罪と共に、入金済みの客への返金案内などを記載している。
なぜスーパープリントは事業継続困難になってしまったのか。きっかけは、2月に発生した印刷機材の大規模故障という。これにより、バックオーダー(在庫切れ商品の注文を受けること)が増え、日本本社と韓国工場側とでコミュニケーションが機能不全に。結果、両者が対立する事態になったとしている。名刺印刷が最多繁忙期になる3月には、機材やシステム、人的リソースが全てパンクし、4月末には全受注を一時停止することになった。
その後突如、日本本社は会社の全てのシステムから閉め出されてしまったという。これにより「superprint.jp」のWebサイトや管理システム、メールへのアクセスが不能になった。同社の生産システムやサーバは、物理的に韓国支社で管理していたという。
日本本社はなんとかドメイン権限だけを取り返すことに成功し、5月18日以降、Webサイトにメッセージを表示させていると説明している。なお、顧客情報や注文情報などから引き続き閉め出されており、直近一部の情報やメールのみを確認ができた状態という。
スーパープリントは「生産システムと管理システムとメールを失い、長年のお客さまからの信頼も失ってしまった。韓国支社との対話もできず、解決の見込みがないため、無念ではあるが事業継続を断念し、既入金分のご返金処理を5月中に完了させ、SuperPrintを閉鎖する」と告知している。
すでに受注していた分の返金処理は5月21日から始めている。なお、管理システムにはアクセスできないため、限られたアナログ情報から突合して確認を進めているとしている。
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