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ゲオの「PS5レンタル」絶好調 物価高の時代に“昔のビデオレンタル屋さんスキーム”が光明に?知らないと損!?業界最前線(1/4 ページ)

» 2025年04月20日 15時24分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 ゲオが2月28日に始めたPlayStation 5(以下、PS5)のレンタルサービスが好調だ。店舗によって機材の稼働率には多少の差があるものの、サービス開始1カ月時点で「およそ半数の店舗でほぼ100%稼働」しているという。全体でも約80%だそうだ。

ゲオ店頭のPS5レンタルコーナー(出典:ゲオ)

 「想定以上に好評です」と話すのは、ゲオのレンタル商材全般を担当するゲオ商品1課の坂井祐介マネージャー(株式会社ゲオ、ゲオ事業本部 ゲオ商品部 ゲオ商品1課)。坂井さんの部署はレンタルCDやレンタルDVDを手がけているが、動画や音楽のサブスクサービスの普及によって事業としては下火になりつつあるのは否めない。そんな状況で企画したのが、PS5本体のレンタルだった。

 企画を立ち上げたのは2024年の夏ごろ。PS5の供給がようやく増えてきた一方で、値上げの話が出てきたタイミングだった。当時、PS5の標準モデルは6万6980円だったが、24年9月には7万9980円に価格改定され、消費者にとっては購入の心理的なハードルがぐんと上がった時期といえる。

 「今あるレンタルの仕組みを使ってPS5の本体レンタルができないか? と検討を始めました」と坂井さん。全国には約1000店舗のゲオがあり、ゲームソフトやゲーム機本体も扱っている。そして「ゲオはPS5の買取も行っているため、メンテナンスなどのノウハウがあります。PS5レンタルを始めるにあたり、新たに人件費や教育費はかかりません。業界最安値で提供できます」。こう話すのは、坂井さんと同じ部署の塚本佑紀さんだ。

 条件はそろっていた。

ゲオの坂井祐介マネージャー(写真=左)と塚本佑紀さん(写真=右)

レンタルビデオ屋さんスキームとは?

 サービスを発表したのは2月27日。「7泊8日で980円」という料金を打ち出し、市場にもそれなりのインパクトをもって受け止められた。SNSでは「神サービス」といった言葉も見受けられるなどゲームユーザーは概ね好意的だった。

 「レンタルは、もともと高価なものを安価に、自宅で楽しんで頂くためのもの。PS5レンタルも、その理念の延長線上にあります」と坂井さん。ゲオの祖業であるレンタルビデオの考え方が多分に影響しているという。

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