早稲田大学(東京都新宿区)は10月7日、英語外部試験「IELTS」「TOEFL iBT」の成績証明書番号などを大学のWebサイトに一定期間、誤掲載していたと発表した。番号は各試験のポータルサイトで個人情報を照会でき、第三者が閲覧できる状態だったとしている。
対象はスコアを同大に直送した受験生の計3418件で、いずれも文化構想学部の英語学位プログラム「JCulP」の入学試験に関連したものだとしている。掲載期間と件数の内訳は、IELTSが2025年8月29日から9月9日までで2641件、TOEFL iBTが18年8月27日から25年9月11日までの777件。
公開されていたのは、IELTSの成績証明書番号とTOEFL iBTの予約番号の一覧。これらは本来、スコアを利用する大学や企業などが成績を照会するために用いるもので、IELTSではこの番号を使って、IELTS本部に登録された認定機関がポータルサイト上から受験生の氏名、生年月日、性別、メールアドレス、顔写真、スコアの詳細を確認できる仕組みになっている。
今回は番号がWeb上に掲載されていたため、早稲田大学以外の認定機関からも情報が照会できた可能性があるという。TOEFL iBTの予約番号も同様に照会に使われるが、番号単体では情報を取得できない仕様とされている。
9月9日に、学内関係者からの指摘を受け掲載が発覚した。大学によると、受験生から「スコアが大学に到着したか確認したい」との問い合わせを受けることがあったため、番号をWebサイトに掲載していたが、これらの番号を通じて第三者機関が試験機関のサイトで成績情報を照会できる点を認識していなかったという。現在、該当ページは削除済みで、第三者による照会・利用の形跡は確認されていないとしている。
早稲田大学は「外部サイトの仕様および番号掲載の運用に関する認識が不十分であった」とし、今後は教職員に対して外部サイトや利用ツールの仕様理解を徹底することで、再発防止に取り組むとしている。
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