約2割の人が“ニュースを避ける”傾向に――なぜ? 「報道機関の存在意義に関わる」専門家が警鐘
日常的に「ニュースを避ける」傾向のある人は18%――スマートニュースの調査でそんな実態が明らかになった。このようなニュース回避の傾向について、スマートニュースは「報道機関の存在意義にも関わる課題だ」と指摘している。
日常的に「ニュースを避ける」傾向のある人は18%――スマートニュース(東京都渋谷区)の調査でそんな実態が明らかになった。理由には「気持ちが暗くなる」「興味が持てない」などが挙がり、最も避けられていたジャンルは「芸能」だった。このようなニュース回避の傾向について、スマートニュースは「報道機関の存在意義にも関わる課題だ」と指摘している。
ニュースを「頻繁に」または「時々」避けている人は全体の18%。「たまにある」と答えた人を含めると49%に達し、約半数がニュース回避の経験があるとした。世代別に見ると、「頻繁に」「時々」避けている割合は、30代が22%と最多。70代以上(20%)、40代(19%)が続き、最もニュースを避けていなかったのは60代(13%)だった。
スマートニュースによれば、世界的にも「ニュース回避」する人は増えつつある。オックスフォード大学ロイター・ジャーナリズム研究所が毎年公表している国際的なニュース接触に関する意識調査「ロイター・デジタルニュースリポート2025」では、48カ国・地域を対象にした調査で回避傾向が40%に達したという。スマートニュース メディア研究所の藤村厚夫フェローは「世界的に拡大するニュース回避傾向は、報道機関の存在意義にも関わる課題となりつつある」とコメントしている。
ニュースを避ける理由として最も多かったのは、「気持ちが暗くなる・気分が悪くなる」(61%)。他には、「関心の持てないニュースまで知りたくない」(30%)、「刺激的な見出しが多い」(27%)、「事件・犯罪のニュースが多すぎる」(25%)、「取材の手間をほとんどかけていない記事(いわゆるコタツ記事)が多い」(21%)といった回答も目立った。
避けたいジャンルでは、「芸能(有名人のゴシップ含む)」が22%と最多に。「戦争・紛争」(19%)、「感動を誘ったり、怒りをかき立てたりする“エモいニュース”」(18%)、「ジェンダー・LGBTQなど人権問題」(13%)が続いた。
この調査は、市場調査を行う日本リサーチセンター(東京都中央区)に委託し、郵送で実施。調査時期は1〜3月で、対象は全国の18〜79歳の男女。調査結果を回収できた2117件分の回答を集計した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Google Newsは“パクリ記事”だらけ? 生成AIも悪用 検索でも上位に、米メディアが実態指摘
他社から盗用した“パクリ記事”が、米Google Newsに大量にまぎれ込んで検索結果の上位に表示されている――。調査報道を手掛ける米メディア「404 Media」がそんな実態を告発した。SNSの“垢消し”検討、新生活シーズンに増える? オランダ企業が日本の検索動向を調査
SNSのアカウント削除に関心を持つ人は、3月から4月にかけて増える傾向にある――セキュリティ企業のオランダ・NordVPNが6月17日、国内ユーザーの検索傾向をもとにした調査結果を発表した。「定時ダッシュ」「仕事の丸投げ」──ピクトグラムがTwitterに続々 五輪開会式の“演技”に触発
7月23日に東京オリンピック(東京五輪)の開会式以降、ドローンとともに、簡単な絵で情報を表す「ピクトグラム」がネット上で注目を集めている。開会式でのパントマイムパフォーマンスが反響を呼んだためで、これに触発されたピクトグラム作品が続々公開されている。AIに記事丸ごと執筆させてみた 記者の仕事を奪えるか? Notion AI「人間は人間にしかできないことをするべき」
米NotionがリリースしたAI執筆支援ツール「Notion AI」を使って、記事を丸ごと執筆させてみた。文章は完璧とはいえないが、主張は面白い。AIによる記事生成は現実的なレベルに達しつつある。SNSで相次ぐ記者への中傷、「民主主義を揺るがしかねない」――日本新聞協会が声明
日本新聞協会は6月5日、記者らへの誹ぼう中傷やプライバシー侵害がインターネット上で増加しているとして、「断じて許されない」とする声明を発表した。正当な取材活動の妨害は民主主義を揺るがす行為だと警鐘を鳴らした。