ADSL完全導入ガイド(2/6)
ADSLって何?

 ADSLとは「Asymmetric Digital Subscriber Line」の略称だ。xDSLと呼ばれるデータ通信方式の1つである。DSLを直訳すると「デジタル加入者線」という意味になり,ISDNと混同しそうだが,実際には電話局とユーザーを繋いだメタル線(加入者線)を用いてデジタル通信を行うことを示している。頭に付く「Asymmetric」は非対称という意味。何が非対称なのかというと,データ伝送速度だ。一般に,インターネット接続はユーザーから見ると圧倒的にデータは受信量のほうが多く,送信量は少ない。これを利用して,受信を高速,送信を低速にして効率良く通信するのがADSLの特徴となっている。また,東京めたりっく通信がサービスを提供しているSDSL(Symmetric Digital Subscriber Line)は,この転送レートを上下同じにした技術で,アップロードする作業の多い企業や個人に便利だ。

 ADSLは,前述の通り電話局とユーザーを結んだメタル線を利用する。このメタル線は音声通話では一部の周波数帯域しか使用していないので,空いている,より高い周波数帯域を利用してデジタルデータ通信を行うのがADSLだ。したがって既設のメタル線を利用し,音声通話と同時にインターネット接続ができる。

ADSLの基本的なしくみ
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 ただし,ADSLはISDN回線では利用できない。ISDN回線はアナログ回線2回線相当+αの機能を持つ関係で,アナログ回線より広い周波数帯域を利用しており,ADSLが使用する周波数帯域と重複してしまうのだ。このため,現在ISDNを利用している人は,一度アナログ回線に戻す必要がある(詳細は後述)。

ADSLはどの位速いのか?

 日本でもっとも多く採用されているG.Liteでは,受信が最大1.5Mbps,送信が最大512Kbpsとなる。理論値では56KbpsモデムやISDN 64Kbpsの最大23〜26倍程度だ。但しADSLはATMベースであり,オーバーヘッドを除くと,実データ転送速度は受信が最大で1.2〜1.3Mbps程度になる。また,東京めたりっく通信や,最近発表されて注目を集めたYahoo! BBなどは,フルレートと呼ばれるG.dmtを使ったサービスを展開中だ。こちらは,理論値で下り最大8Mbps,上り最大900Kbpsというスピードを持つ。ただし,冒頭で触れたように,ADSL技術はさまざまな要因でスピードが落ちることがあるため,理論値はあくまで理論値として捉えたほうがいい。では,具体的にどのような理由がスピードを落とすのだろうか?

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[坪山博貴,ITmedia]

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