リビング+:ニュース 2003/12/22 19:59:00 更新


禁断の「ダウンロード」で成功したアダルト事業者

著作権の問題から、とかく敬遠されがちなダウンロード配信。しかしこれに積極的に踏み込むことで、事業として成功を収めつつあるアダルト事業者がある。同社の取り組みを見てみよう。

 映像コンテンツといえば、ストリーミングで提供するもの。少し前までは、これが著作権侵害を気にするブロードバンド業界の常識だった。しかし、ダウンロード配信に乗り出す企業も徐々に増えている。中には、“ダウンロードし放題”という大胆なサービスを実現し、成功を収めつつある事業者もいるようだ。

 その事業者とは、著作権に対して常に先進的な取り組みをみせる業界――すなわち、アダルト業界――の第一人者である、DMMだ。同社の取り組みを見てみよう。

「ダウンロードし放題」の仕組み

 DMMは、大手レーベルと提携して「アリスJAPANチャンネル」「クリスタルチャンネル」「宇宙企画チャンネル」などを揃える、アダルトコンテンツのポータルサイト。同業界が著作権処理に積極的という事情もあり(記事参照)、早くからブロードバンドを活かした映像配信を行って、収益を上げてきた。

 6月からは、作品のノンパッケージ流通を目指し、映像のダウンロード販売を開始した。「ビデオパッケージと同様の、120分の映像をダウンロードして、ローカルに保存できる。同時に発行するライセンスがないと再生できないので、ファイルをコピーしても、他人に配布することはできない」(DMM担当者)。

 このサービスが好評だったことから、11月からはさらに「ダウンロードし放題」のサービスも始めた。これは月額定額制で登録を行うことで、コンテンツを好きなだけダウンロードできるというものだ。

 やはり、ライセンスが発行される形式をとっており、月額料金を払わなくなると、ローカルにあるファイルも再生できなくなる。ユーザーとしては、毎月料金を払い続けさえすれば、「PC内に自分だけのコンテンツライブラリを持つ」感覚でいられるわけだ。

高収入を実現

 ユーザーにとって、ダウンロード配信のメリットは、高画質な映像を楽しめること。ストリーミングでは、1Mbpsで視聴することが難しいユーザーでも、時間をかけてローカルに落としてしまえば、クオリティの高い動画が楽しめる。

 また、先に述べたとおり、“所有感”を満足させられることも大きい。「日本人は、ものを集めたがる傾向がある。当分の間、ダウンロードはありがたがられるだろう」(DMM担当者)。

 事業者側にも、ダウンロードのメリットはある。実は、ダウンロード配信では客単価を上げることができるのだ。

 たとえば、ストリーミング配信では、どうしても“1回流すにつき”何百円、といった課金体系になる。必然的に、コンテンツの料金は安価に抑えるしかない。

 しかし、ダウンロードではパッケージを売るのと同じ感覚で、ファイルを“売る”ことができる。「1本売り切りタイプでは、980円で販売しても、納得してもらえる」(DMM担当者)。

 実際、6月にダウンロードサービスを始めてから、同社の映像コンテンツの販売売上は、ストリーミング:ダウンロードが、1:3の比率。11月にダウンロードし放題サービスを始めると、全体の売上をさらに10%押し上げる効果を持ったという。ここまで見る限り、まずは成功したといえるだろう。

「WMPの機能向上」がきっかけ?

 実はここにきて、アダルト業界以外でもコンテンツのダウンロードサービスが目につくようになっている。年末にかけて、2Mbpsクラスの映画をダウンロード配信する、関西マルチメディアサービスのような事業者もいれば(記事参照)、民放が過去に放送したテレビ番組をダウンロード配信する、トレソーラのような事業者もいる(記事参照)。

 中には、ダウンロードコンテンツ自体はカプセル化されているとして、「コンテンツをWinMXで流してもOK」とまで言い切る事業者までいる(関連記事その1その2参照)。これなどを見ると、事業者の“ダウンロード恐怖症”が、解消されつつあるのか、とも思う。

 背景には、Windows Media 9(WM 9)になって、再生プレーヤーの機能が向上していることがある。先ほど軽くふれたが、これによってコンテンツ単位でライセンスを発行することができる。

 「従来の再生プレーヤーと違い、ダウンロードしてから、別途ライセンスを購入するといった手間がかからない。先にライセンスを発行した上で、ファイルを販売することが可能で、非常に使い勝手がよくなった」(DMM担当者)。

 ダウンロード配信を行う事業者のほとんどが、このWM 9の機能を利用していると考えてよさそうだ。

ほかの事業者も追随できるか?

 現状、コンテンツ業界で損益分岐点をクリアするほどの収益を挙げているのは、アダルト事業者くらいだといわれる。その理由は、単純に“コンテンツの強さ”であると考える人間も多い。

 しかし、多くのコンテンツプロバイダの取り組みを見てきた記者の感想は、違う。アダルト業界は常に、積極的に著作権処理を行ってきた。今回のダウンロード配信も、その流れに沿ったものだ。そして、それゆえに一定の結果を出している。

 今後、アダルト業界に限らず、さまざまな業界の事業者がこの取り組みを真似できるか。来年以降に、注目したい。

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[新崎幸夫,ITmedia]



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