リビング+:特集 2003/12/26 23:59:00 更新

番外編:アイ・オー・データ機器「RecPOT」
HD録画したい人の選択肢

地上デジタル放送が一部の地域で開始され、にわかにハイビジョン(HD)録画への興味をそそられた人も多いかもしれない。ただし、デジタルHDTVの画質を損なわずに録画できるものは少ない。

 地上デジタル放送が一部の地域で開始され、にわかにハイビジョン(HD)録画への興味をそそられた人も多いかもしれない。ただし、既報の通り、デジタルHDTVをストリーム記録〜つまり放送の画質を損なわずに録画できるものは少ない。

 現在、ハイビジョン録画に対応している録画機は、一部を除くD-VHSビデオデッキ、Blu-Rayレコーダー「BDZ-S77」(ソニー)、HDDレコーダーの「RecPOT」(アイ・オー・データ機器)、「VRP-T1」(ソニー)といった製品に限られる。このうち、もっとも選択肢が多いのはD-VHSビデオデッキだが、テープメディアとディスクメディアでは頭出しなど基本的な操作性に雲泥の差がある。1本のテープには最大4時間のHD動画を録画できるが、これもPCなどでHDD録画に慣れた人には短いだろう。

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Blu-Rayレコーダー「BDZ-S77」。価格は39万8000円

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同じくソニーの「VRP-T1」。80GバイトのHDDを内蔵し、HD放送を約7時間録画可能。2系統のi.Link端子を装備

 Blu-Rayは、現存する唯一のHD録画可能なディスクレコーダーだが、まだまだ価格が高いうえ、1枚のディスクに録画できるハイビジョン番組も2時間強とD-VHSよりもさらに少ない。HDDレコーダーやハイブリッドレコーダーのように、録りためておく便利さに慣れた人たちの目には、物足りなく映ることだろう。

 “録りためる”ことに着目すると、やはりHDDレコーダーという選択肢が挙げられる。チューナーとの連携によるEPG録画が可能で、簡単な頭出しといったディスクメディアの操作性を持ち、価格もそこそこというRecPOTが魅力的だ。一方、ソニーのHDDレコーダー「VRP-T1」は、同じi.Link接続でも独自のコントロール方式を使用しているため、同社の「VEGA」シリーズ以外とは接続できない点がネック。そこで今回は、改めてアイ・オー・データ機器からRecPOTを借りてみた。

3波チューナーとRecPOTの組み合わせで用途が広がる?

 RecPOTの現行機種は2002年11月に発表され、HDDの容量が120Gバイトと240Gバイトの2モデルがラインアップされている。120Gバイトモデルでは約10.5時間、240Gバイトモデルなら約21時間のハイビジョン録画が行える。標準テレビ放送(SDレート)では、最長約63時間だ(概要は別記事を参照)。

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RecPOTとデジタルSTB(松下電器製のTZ-DCH250)を接続している。DCH250は地上デジタル放送にも対応

 RecPOTは、録画機というよりもデジタルチューナー用の外付けHDDといったほうがいい。i.Link経由でデジタルチューナーと接続すると、D-VHS機器として認識される。本体にはMPEG2エンコーダーやチューナーなどは一切搭載しておらず、その役割はデジタル放送のストリームをそのまま記録するだけというシンプルさだ。

 録画予約などの操作もすべてチューナー側のGUIを使う。ただし、現行機種では従来モデルになかった「Rec-Potメニュー」を搭載しており、録画番組のリストや設定を一覧表示できるようになった。

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EPGによる録画予約画面。録画先がD-VHSになっているのがわかる

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「Rec-Potメニュー」。番組一覧から再生やロックなどの操作ができる。しかし削除は不可

 RecPOTは、お世辞にも多機能とはいえない。いわゆる“追っかけ再生”などPVR的な機能も持たないし、編集なども考慮されていない。誰にでもお勧めできる機種だとはいえないだろう。ただ、デジタル放送をそのままの画質でため込むことができて、さらにEPG録画や高速な頭出しなどの要件を満たせる製品もコレだけだ。

 RecPOTをしばらく使っていて、ひとつ気が付いたことがある。地上デジタル放送の開始後、利用頻度が増えたのだ。というのも、デジタル3波対応チューナー(自宅の環境ではCATVのデジタルSTB)との連携により、地上波放送の録画が可能になったから。

 HDDレコーダーの基本的な使い方は、“観たら消す”だが、個人的な趣味からいうと、一回観ただけで消す番組は地上波のバラエティ番組がほとんどだったのだ。

チューナーの機能追加がHDDレコーダーの機能強化につながるのは、i.Link接続ならではといえるが、これによって、3つの放送波の録画を1台でまかなえる録画機としてRecPOTを見直すこともできるようになったのではないだろうか?

やっぱりハイブリッドが欲しい?

 とはいえ、地上デジタル放送時代に望まれるのは、やはり青色レーザーのディスクメディアとストリーム記録も可能な大容量HDDを組み合わせたハイブリッドレコーダーだろう。もちろんCPRM対応で、残したい番組はディスクにムーブできることが前提。しかし、これは少し先の話だ。

 過渡的な製品としては、10月の「CEATEC JAPAN 2003」でシャープが参考出展したようなハイブリッドレコーダーが挙げられる。当時の取材メモをひっくり返してみると、デジタル3波対応チューナー搭載、160GバイトのHDDにデジタルハイビジョンストリームを最大約14時間録画可能、残したいファイルはDVD-R/-RWにダビング可能と、なかなか魅力的な仕様だ。

 この製品でも、DVDメディアに書き込むときは当然ダウンコンバートすることになるため、HD画質を維持することはできない。そのうえ、再エンコードが必須だから、一部のハイブリッドレコーダーのウリでもある高速ダビングも期待できない。ただ、青色レーザーが安くなるまでの間は良いソリューションになるはずであり、2004年には、こういった製品も選択肢に入ってくると思われる。

関連記事
▼コピーワンスで録画スタイルが変わる
▼アイ・オー、HDDビデオレコーダ「Rec」シリーズ新製品など発表

関連リンク
▼アイ・オー・データ機器
▼BDZ-S77製品情報(ソニー)
▼VRP-T1製品情報(ソニー)
前 まだ迷っている人のための“ハイブリッドレコーダー選び” 9/9次スペック表、最新価格をチェック(PCUPdate)

[芹澤隆徳,ITmedia]



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