無料電子書籍制作サービス「Androbook」 VOYAGE GROUPが事業譲受

JPEGのZIPファイルやPDFを用意するだけで簡単にAndroid向け電子書籍アプリが作れる「Androbook」が、クレイジーワークスからVOYAGE GROUPに事業譲渡される。

» 2012年02月09日 15時27分 公開
[山田祐介,ITmedia]
photo 「Androbook」のWebページ

 ECナビなどを運営するVOYAGE GROUPは2月9日、Android向け電子書籍アプリを簡単に作れる無料サービス「Androbook」を、クレイジーワークスから事業譲受すると発表した。譲渡額は非公開。

 Androbookは、JPEGのZIPファイルやPDFのドキュメントをアップロードするだけで、Android向け電子書籍アプリが作れるサービス。クレイジーワークスの村上福之代表取締役総裁が、2010年10月に「Androidでガラパゴスじゃない電子書籍を作ってみました」として公開した。作成したアプリはAndroidマーケットで有料・無料問わず自由に配布が可能。漫画家の佐藤秀峰氏が代表作の1つ「ブラックジャックによろしく」をAndrobookを使って配信したことでも話題を呼んだ。

 現在、同サービスを使って作成された電子書籍アプリは7000個を超え、アプリの閲覧に必要な「Androbook Viewer」は15万ダウンロードを超えている。VOYAGE GROUPではAndrobookを通じ電子書籍事業に進出し、年内に1万個の新規アプリ創出を目指す。

 Androbookはこれまで広告を伴わない完全無料のサービスだった。VOYAGE GROUPでは収益化にあたり、無料で利用できるコンセプトを引き継ぎつつ、広告配信、あるいは広告を伴わないサービスの有料提供などを検討している。また、マーケットでアプリが埋もれる問題を、ECナビなどの同社サービスからの誘導施策で改善し、利用促進を図っていく考え。なお、こうした方針により、過去にAndrobookで製作されたアプリにおいてもビューアーに広告が入る可能性はあるという。

 さらにこれまでは主に個人向けサービスだったAndrobookを、法人向けプラットフォームとしても拡大していく方針。出版取次業者への営業活動を積極的に行い、商業コンテンツの配信に力を入れていく。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.