初日に続き、各ブースの気になるサービスやコンテンツをピックアップ。
開催2日目となった国際電子出版EXPO。初日に引き続き3つのブースの展示を紹介していく。
地域に特化した電子書籍ポータルサイト「Japan ebooks」を運営する宮崎南印刷。老舗印刷会社である同社が「miyazaki ebooks」で先鞭(せんべん)を付けたこの取り組みは、現在では17道府県に拡大している。
それぞれの地域で自治体などが発行する紙媒体を電子化し、それをポータルとして集約することで広くアクセスしてもらおうとするこの試みは、一定の成功を収めていると言えるだろう。
宮崎南印刷は5月に、宮崎市の広報誌『市広報みやざき』を官民協働事業としてリニューアル、miyazaki ebooksとの連動による取り組みを開始している。広報誌の内容にも積極的に踏み込んだ提案を行い、動画など特別なコンテンツをサイトに別途用意するなど、より多くの人に見てもらおうとするさまざまな取り組みを、官民一体となって進めている。
「Japan ebooksはあと2年くらいですべての都道府県にまで拡大したいです。とはいえ、ただ手を挙げればどうぞ参加ください、というわけではなくて、地域特化型だからこそできることをやりたいという強い意志を持たれている方々に参加してもらいたいと思っています」――宮崎南印刷デジタルコンテンツ事業部の松浦周一郎部長はそう話してくれた。日本全国でこのネットワークがつながったとき、新しい動きにつながっていくのかもしれない。
モリサワでは、「iBeacon」に関連した参考出品を見ることができる。iBeaconとは、「ビーコン」と呼ばれる情報配信用のデバイスを設置し、そのデバイスに近づいたモバイルデバイスに対してさまざまな情報を配信するテクノロジー。受信するためにはiOS7以上のモバイルデバイスで、Bluetoothをオンにしておく必要がある。
ビーコンで配信できる情報は距離によって変えることができ、例えば遠い場合は店の地図などを、近くに来た場合にはクーポンを配信する、などの使い方ができる。
そのほか、1度のファイルアップロードで複数の電子書店へ書籍の配信を行えるようにするサービス「MCGate」の参考出品や、Newsstandで電子書籍を購入したユーザーに、その電子書籍の内容に則した電子広告(スイーツに関する雑誌を購入した人には、ケーキ店のセールに関する情報など)をプッシュで送るといった取り組みの展示も行われていた。
製本機などの製造をしているホリゾンのブースでは、実際に製本機を稼働させ、本ができるまでの過程を間近で見ることができる。
同社ではデジタル印刷を採用しており、従来のオフセット印刷のように版ごとの印刷ではなく、1冊の本の中身を連続して印刷できる。そうすることで、印刷された紙はロール状にしておくことができるほか、小ロットでの製本を可能にしている。ただし、インクジェットを使用しているため、インク代が高くなってしまうのが現状の問題だという。
ロール状の紙が本の形になるまでを順を追って紹介していこう。
今回ブースで使用しているロールには約300冊分印刷されており、国際電子書籍EXPOの期間中に約3000冊製本する予定だという。
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