顧客データを地図上に展開する国際航業のBGI

【国内記事】 2001.06.29

「データウェアハウス&CRM EXPO」では,国際航業がフランスのベンチャー企業であるアステロップの国内総販売代理店として売り込んでいるBGI(Business Gio Intelligence)を紹介している。これは,CRMで蓄積した顧客データを地図上に展開し,ビジュアルに表示して分析に役立てるためのアプリケーションだ。

 同社の執行役員でミレニアム事業本部長を務める田ニ谷正純氏は,「まずは総販売代理店として事業を軌道に乗せ,ジョイントベンチャーで日本法人を設立することも視野に入れている」と話す。

さまざまな角度から顧客データを比較分析できる。ここまでは無料

 国際航業は,3つのやり方でBGIを提供する。企業内システムに組み込んで,実行系CRMと連携させる方法と,ASPモデル,そしてリファレンスサイト的にWebサイトでデモする方法の3つだ。現在提供しているのは,組み込みだけで,Webサイトも先ごろプレオープンしたばかりという。

 この分野には,日本でも既にGIS数社が参入しているが,BGIの特徴は,あらゆるリレーショナルデータベースからダイレクトにデータを吸い上げられる「データアクセスコンポーネント」を持つこととだ。このコンポーネントがミドルウェアのように働き,既存の顧客データと地図データ,統計データなどとうまく連携できるようにしてくれる。

 現在のところ,地図上に展開する顧客データと比較するための統計データとして,国勢調査データ,事業所企業統計データ,商業統計データなどが用意されている。

 今回紹介されているのは,Webサイトのサービスが中心だった。Webサイトからセミコロン区切りのデータを読み込ませると,地図上にそのデータを流し込み,顧客数の多い地域と少ない地域が濃淡で示される。そして,さまざまな統計データと照らし合わせて,全世帯の何割をカバーできているかを見られる仕組みだ。

 そこまでは無料だが,地図上に顧客数などを表示したり,ターゲットの何%をカバーしているかを見るのは有料サービスとなる予定。1回当たり1万円程度と安価に提供したい考えという。

 余談だが,このサービスで利用する統計データは,総務省が集めたものを,同省の外郭団体である財団法人が販売しているという。電子データとして扱っているのなら,総務省は無料で開放すべきだろう。これについては機会を見てレポートしたい。

関連リンク

▼国際航業

▼BGIのWebサイト

[井津元由比古 ,ITmedia]