ビザの3-Dセキュアを利用したオンラインショッピングを開始するディーシーカード

【国内記事】 2001.07.04

 ビザ・インターナショナルは7月4日,同社が開発したインターネット決済用の新しいセキュリティプロトコル「3-Dセキュア」を利用した国内初のパイロットプログラムをディーシーカードが8月より開始することを発表した。

 今回の発表によりディーシーカードは,3-Dセキュアを利用したショッピングサイトのパイロットプログラムを立ち上げ,e-コマースの本格稼動に向けたノウハウの蓄積を開始するという。同社では7月より,「DC Webサービス」を利用する会員36万人から1万人を選出し,申し込み登録用URLをメールで送付。登録した全員にモニターとしてパイロットプログラムに参加してもらう計画だ。パイロット参加人数は,2000人以上を見込んでいるという。

 パイロットプログラムは8月より,東芝ダイレクト,ソフマップ,ソースネクストの加盟店3社の協力によるオンラインショッピングを約3カ月の予定で実施するという。さらに来春には,すべてのシステムを3-Dセキュアベースに移行する計画としている。

 ディーシーカードのデジタル事業推進部長,中井章夫氏は,「同パイロットプログラムは,先進ソリューションへのチャレンジ。同プログラムを通じて,会員および加盟店により簡単にオンラインショッピングに参加してもらえる環境を実現したい」と話している。

 3-Dセキュアは,ビザが開発した新しいセキュリティプロトコル。現在,7カ国で,PCを利用したオンラインショッピングをはじめ,ICカード,モーバイルコマースなど,13プログラムが展開中の新しい認証ソリューションだ。

 同社はセキュリティの分野ではこれまで,マスターカードやマイクロソフト,IBMなどとSET(Secure Electoronic Transaction)仕様の開発を推進してきたが,今後は3-Dセキュアに切り替える計画という。同社では,3-Dセキュアを利用することで,SET仕様に比べ,技術的にも,コスト的にも,使いやすさの面でもメリットがあるとしている。

 ビザのアジア太平洋地域担当上級副社長,マーク・バービッジ氏は,「3-Dセキュアは,オンラインショッピングのセキュリティに対する利用者の懸念を取り除くための仕組み。これにより,多くの利用者に安心してオンラインショッピングを楽しんでもらえる仕組みを実現できる」と話す。

 現在,日本国内では,2000万人がインターネットを利用できる環境にあり,年末には3260万人に拡大するとされている。また,1800万人が携帯電話からインターネットを利用しているという。

「現在,オンラインショッピングを利用したことのあるユーザーは700万人で,その売上は8240億円に過ぎない。これは利用者のセキュリティに対する懸念のためで,この問題を早急に解決しなければならない」(バービッジ氏)

 同社では今後,2500万人の利用者がオンラインショッピングを活用し,2兆5000億円を超える市場になると見込んでいるという。

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[山下竜大 ,ITmedia]