ストレージとセキュリティに力を入れるチボリ

【国内記事】 2001.07.17

 日本チボリシステムズ(チボリ)は7月18日に開催される「Planet Tivoli Tokyo 2001」を控え,複数の新製品を発表した。

 まず,注目を集めるストレージ向けの管理ソリューションを強化し,LANフリーバックアップを実現したほか,セキュリティ製品「SecureWay Policy Director」にiモード対応機能を追加。さらに同社社長の中畑恒夫氏は,中堅規模の企業を対象とした新たな製品群を検討していることも明らかにした(別記事参照)。

ストレージ管理を強化しLANフリーバックアップに対応

 チボリは,企業やマネージメントサービスプロバイダー(MSP)向けの管理ソフトウェアを中心に提供している。

 e-ビジネスの重要性が広く認識されるようになったが,そのためには,安定し,かつニーズに応じた拡張性を備えたシステムとサービスの確実な提供が不可欠な要素となる。障害が発生した際にはそれを速やかに検知し,原因を明らかにして通報するためのシステムや,

 7月17日に発表された「Tivoli Business System Manager v1.5」は,eビジネス環境のインフラ管理機能をエンドツーエンドで提供するための製品で,同日より出荷が開始された。新バージョンでは,SAPやOracle,DB2,ロータス ドミノ,Sybaseなどとの統合機能を高めるとともに,オートディスカバリー機能を向上させ,既存のシステムへの導入をより迅速に行えるようにした。

 同時に,企業にとって重要な「情報」そのものを保護するため,従来から提供されてきたストレージ管理製品を強化している。同社はこれまで,ストレージ管理のためのソリューションとして,SAN管理を実現する「Tivoli Storage Network Magager」,ファイルシステムの管理・共有機能を提供する「Tivoli SANergy」,柔軟かつ効率的なバックアップを行うための「Tivoli Storage Manager」という3つの製品を主に提供してきた。

 今回は,そのうちStorage Managerのバージョンアップが行われた。新バージョンの「Tivoli Storage Manager v4.2」は,AIXやSolarisに対応し,SANに対応したLANフリーバックアップが可能となった。これにより,クライアントから直接,SAN上のテープライブラリにバックアップが行えるようになり,LANからTivoli Storage Managerサーバを経由する必要がなくなったという。また,NAS(NDMPプロトコル)のサポート,Windows NT/2000クライアント用ジャーナルベースのバックアップといった機能も加えられた。

 Tivoli Storage Manager v4.2の価格はサーバ1台につき24万5000円から。7月31日より出荷が開始される予定だ。

SSO製品をiモード対応に

 同社はまた,セキュリティ分野の製品拡充も進めてきた。たとえば,他社製ファイアウォール製品やIDS(侵入検知システム)などと連携して,システムへの侵入などを一元的に監視・管理する「Tivoli SecureWay Risk Manager」,顧客の個人情報を保護する「Tivoli SecureWay Privacy Manager」,さらにPKI対応製品など,幅広い製品群を揃えつつある。

 アクセス制御およびシングルサインオン(SSO)を実現する「Tivoli SecureWay Policy Director(PD)」もその1つだ。SecureWay PDでは,ユーザー認証を行い,その結果とあらかじめ定めたポリシーを照らし合わせて,適切なシステムやデータベースへのアクセスを許可するシステムだ。Webブラウザを使って一度ログイン作業を行うだけで,必要なリソースのみへのアクセスが許可されるため,セキュリティと使いやすさの両方を満たせる点がメリットとなる。

 今の時点では,この製品はPC(Webブラウザ)上から利用されるケースが多い。だが同社は,モバイル機器を利用してのアクセスが増加する状況を見込み,WAP対応機器をサポートしてきた。

 7月17日の発表では,これに加え,iモード端末からのアクセスに対応することが明らかとなった。iモードからのアクセスやiアプリの利用時に,SecureWay PDによるユーザー認証を組み合わせることによって,モバイル環境からのアクセスがより安全に行えるようになるという。

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関連リンク

▼チボリシステムズ

[高橋睦美 ,ITmedia]