バーンジャパンが製造業にフォーカスしたiBaanを正式発表

【国内記事】 2001.07.17

 バーンジャパンは7月17日,製造業向けのエンタープライズアプリケーション「iBaan」の販売活動を開始することを発表した。今後同社は,現行のERP製品のブランド名を「iBaan ERP」に統一するほか,SCMやCRM,そしてB2Bのオンラインコラボレーションを可能にする製品の日本化を進めていく。

 バーンは,2001年初めからiBaanの開発コンセプトを広く紹介するための世界ツアーを開催するなど,狙いを定める大規模製造業向けのソリューションとしてiBaanの売り込みを図っていた。当時のバーンは経営危機のまっただ中で,インベンシスに買収された直後だったが,その後2四半期連続で黒字を達成するなど,現在の同社は,ほぼ復活を遂げたと言っていいだろう。

 こうしたバーンの現状を背景に,同社の社長を務める杉山隆弘氏は,「バーンジャパンの成功がワールドワイドの成功につながると意識して経営に当たっている」と話す。

「日本企業の品質要求は非常に高く,日本で初めて発見されるバグも多い。製造業特有のスペックも反映させ,日本市場のニーズに応えられる製品を提供したい。日本市場では売り上げ倍増を狙う」(同氏)

 今回発表されたスイートは,現行のERP製品「iBaanERP」とSCMソフトウェアを強化した「iBaanSCS」,バーンが1998年に統合したオーラムソフトウェアのCRM製品を製造業向けに強化した「iCRM」が基盤となる。また,これらを取り巻くアプリケーションとして,XMLベースのEAI製品「iBaan OpenWorld」,B2Bコラボレーションスイート「iBaan Collaboration」,そしてSAPポータルズと提携して開発されたEIP(企業情報ポータル)製品「iBaan Portal」を提供する。

 これらのうち,iBaanERPは既に出荷中。iBaan CollaborationとiBaan Portalは2002年に出荷する予定だが,それ以外は年内にリリースする方向で日本化作業が進められている。

ハイコストパフォーマンスなSCP

 iBaanSCSは,需給予測系エンジン「Planner2.0」と,納期・価格回答エンジン「OrderPromising2.0」,そして生産計画を最適化する「Scheduler6.3.3」の3つのソフトウェアで構成されている。

 これらは,現行製品をバージョンアップしたもので,大幅に機能強化されているという。中でもPlanner2.0は,「i2テクノロジーズの3分の1程度の価格で,Rythmと遜色ないパフォーマンスを提供できる」(同社)としており,iBaanとの連携だけでなく,コストパフォーマンスの高さも売り込みたい考えだ。なお,RythmはTradeMatrixソリューションを打ち出す以前のi2の主力製品。

 またOrderPromisingは,Plannerと連携させて利用する。Plannerの予測値を営業系システムと共有することで,顧客に対して全社で整合性の取れた納期・価格を回答できるようになる。Schedulerは,パラマウントベッドなどが既に導入している現行バージョンを一部強化したもの。

 出荷予定は,Planner2.0とOrderPromising2.0が9月,Scheduler6.3.3が8月となっている。

iCRMはコンフィギュレーションに強み

 今回発表されたiCRMは,オーラムのソリューションラインを強化したもの。バーンの親会社であるインベンシスによって再びスピンオフされた「アイ・シーアールエム」が提供しており,バーンジャパンが国内総代理店として販売およびサポートを行う。

 この製品は,オーラム時代から強かったSFA製品「Sales」,自動見積機能を搭載する「Configuration」,価格管理の「Pricier」,キャンペーン計画や見込み客を管理する「Marketing」,さまざまな顧客とのタッチポイントを一元管理する「CustomerInteraction」,そしてコールセンター向けの「CTI Manager」で構成される。

 すべてのモジュールは,製造業のB2Bにフォーカスして開発されており,一般消費者が対象となる機能を削減し,軽いアプリケーションに仕上がったという。同社では,中でもSalesとConfigrationを中心に売り込みたい考えで,12月をめどに出荷する予定。

 なおオーラムは,バーンに完全に統合される以前,バーンの子会社となっており,当時バーンが買収したセールスコンフィギュレータ開発企業であるアンタリシスのソリューションも,オーラム製品の一部として出荷されていた。このためConfigurationは,歴史をたどればかつてのアンタリシス製品に行きつく。

リアルタイムのデータ連携

 11月出荷予定のiBaan OpenWorldは,RossetaNetをサポートするXMLベースのEAI製品。IBMのMQSeriesかマイクロソフトのMS MQが稼動するWindows NT/2000サーバ上に搭載し,リアルタイムのデータ連携を実現できるという。

 この製品は,オブジェクトやログを管理する「Broker」,アプリケーションを連携させる「Adapter」,データ交換用の「Gateway」,データフローを定義する「Domains」,そして開発ツール「Studio」から構成される。なお,Studioを利用するためにはマイクロソフトのVisual Studioが必要になる。

 この製品で,バーンのソフトウェアだけで構築されていないシステムでもリアルタイムに連携できるようになる。バーンでは,米国でSAP,i2,アリバと接続した実績を持っており,他社製品との統合のためのプロフェッショナルサービスを提供するイーエンファシス・テクノロジーと戦略提携した。

 イーエンファシスは日本法人を設立していないが,バーンジャパン社内にイーエンファシスの社員用にデスクが用意されている。現在,12人のスタッフが同社内およびクライアントサイトでシステム構築を行っているという。

 iBaan CollaborationとiBaan Portalは,2002年から出荷する計画となっている。

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▼バーンジャパン

[井津元由比古 ,ITmedia]