e-Day:日立のサッカーパソコン,恐るべし「グッズ化」戦略

【国内記事】 2001.07.24

 今週月曜日,Jリーグの柏レイソルが西野朗監督の解任を発表した。「長期政権」を約束しながらホゴにした日立製作所の仕打ちに腹立たしい思いをしたが,翌火曜日にレイソル公認モデル「FLORA 11」(通称:サッカーパソコン)を派手に売り出してくれたので許すことにしよう(今日は単なる柏在住のレイソルファンです)。

 日立は7月24日,酷暑の東京・渋谷でスポーツカフェを貸し切り,サッカーパソコンの発表会を行った。今回発売されたのは,日本代表チームモデルとレイソルモデルの2機種。B5ファイルサイズのFLORA 220シリーズ(超低電圧モーバイルCeleron/600MHz搭載)をベースにし,ファンにはうれしいカスタム仕様が幾つも盛り込まれている。

発表会に駆けつけた明神(左),北嶋の両Jリーガー

 国内のパソコン市場は,2000年に1210万台に達し,より一層コモディティ化が進んでいる。デスクトップではTVやオーディオ/ビジュアル機能が搭載されてデジタルAV機器へと進化する一方,ノートブックはさらなるモーバイル化,端末の多様化,そして遍在化が見られる。

 ちなみに月曜日にガートナーが明らかにした世界のパソコン出荷速報は,前年同期比で減少というショッキングな結果となった。米国経済の低迷がそのほかの地域へも波及しており,第2四半期(4〜6月期)は前年同期に比べ1.9%減の3043万台に終わり,なんと1986以来のマイナス成長となってしまった。

 ガートナーでは,今後成長率を引き上げるためには,単なる価格性能比という価値基準以上に説得力のある価値を作り出し,提案していく必要があるとしている。むしろ,デジタル家電に強い国産メーカーの腕の見せどころとなってきた。

 日立では,こうした背景もあり,積極的にパソコンの「グッズ化」を進めている。ペン入力タイプの「FLORA 将棋」やアイスホッケークラブ日光アイスバックス公認の「FLORA IceBucksモデル」などが知られており,絞られた特定マーケットに向けた商品化のノウハウが蓄積されてきたという。

 サッカーパソコンのFLORA 11では,液晶パネル裏のトップカバーに大きなチームエンブレムを入れ,光沢とつやのあるクリアコーティングで仕上げている。特に日本代表チームモデルは,ブルーの色合いを忠実に再現すべく凝りに凝ったといわれ,その塗装は9工程に上るという。「公認」を示す日本サッカー協会やJリーグのライセンスマークが貼られているのはもちろん,ユーザーの名前を刻印するサービスもあり,同社のカスタム製造のインフラがフルに生かされている。

ピッチの緑が描かれたパッドとオリジナルマウス
「開けてびっくり」ではないが,液晶パネルを開けると,サッカーグラウンドが描かれたポインティングパッドのデザインもいい。個人的には頑固なトラックポイント派なのだが,この際いい。

 まだまだこれぐらいで驚いてはいけない。日立は,チームエンブレムが入ったオリジナルのマウスや専用ケースまで作ってしまった。マウスのケーブルも,それぞれのチームカラーで染めてしまうという徹底ぶりだ。

 ソフト面でも,お約束のオリジナル壁紙やスクリーンセーバー,サッカーボールやユニフォームのアイコンを用意するなど,ファンにはうれしいばかり。ワンクリックでサッカー関連のホームページにアクセスできる「FLORAナビ」には,レイソルモデルの場合,地元の柏市役所まで登録されているという。

 発表会には,日本代表にも名を連ねるボランチの明神智和選手が駆けつけ,「住民票を取りにいくときに使いたい」と,少しずっこけそうだが,ジモティーにはうれしいコメント。

 全くの勢い,たまらず日立ダイレクトで1台買ってしまった。

 普段であれば,スペックを吟味し,価格ドットコムであれやこれやと売値を比較した挙げ句に100円でも安いところで購入するのだが,今回はあっさり陥落。しかも,これまで買ったことのないCD-R/RWドライブモデルを選んだ。恐るべし日立の「グッズ化」戦略。

 コンパックも浦和レッズ公認モデルを商品化するしかない。

[浅井英二 ,ITmedia]