日本ネットワークアソシエイツ,ウイルス対策アプライアンスを発表

【国内記事】 2001.08.10

 日本ネットワークアソシエイツは8月12日,ウイルスの検知と駆除に特化した企業向けのアプライアンス製品,「WebShield e500 Appliance」を発表した。

 同製品は,専用の筐体にLinuxベースのOS,およびウイルス対策ソフトウェアを搭載した,「ウイルス対策」アプライアンス製品だ。ファイアウォールやVPNのアプライアンス製品はいくつか存在するが,同社によれば,ウイルス対策アプライアンスはこれが初めてという。

初の「ウイルス対策」アプライアンス,WebShield e500 Appliance

 このところ,Code Red/Code Red IIやSirCamといったウイルスが広く被害を及ぼしているが,WebShield e500 Applianceではもちろん,これらの検知,駆除が可能という。

 製品のリリースに合わせて来日した米ネットワーク・アソシエイツ,マカフィー部門のカール・マネリング氏は「WebShield e500 Applianceによって,ハードウェア構成やOSの最適化などを考えることなく,速やかに,しかも比較的低コストでウイルス対策を導入できる」と述べている。

 WebShield e500 Applianceは,ネットワークのゲートウェイ部分でメールサーバ(SMTP/POP3)やWebサーバ(HTTP),FTPなどのデータ通信を監視する。インターネットからシステムへの入り口部分で,ウイルスやワームを検出し,駆除することができる。

 また,電子メールの差出人や件名,宛て先などを基にフィルタリングを行う,コンテンツフィルタ機能も搭載されている。

 日本ネットワークアソシエイツによれば,同製品では1時間で最大12万件の電子メールのスキャンが可能だ。マルチレイヤスイッチなどと組み合わせることで,さらに処理能力と冗長性を高めることができる。また,同社が提供しているウイルス対策管理システム「ePolicy Orchestrator」と組み合わせ,ウイルス監視の結果やログを管理することも可能である。

 WebShield e500 Applianceの価格は275万円で,8月15日より出荷が開始される。

サービスプロバイダー側の対策が必要

 マネリング氏は,最近の一連のウイルス感染の広がりに対し,「中でもCode Redは,これまでのウイルスのアプローチとはかなり異なっており,対策が難しかった。IIS向けのパッチがリリースされていたにもかかわらず,それが適用されていたなったことがさらに被害を大きくした」と語った。

 同氏はまた,「ICSAの調査によれば,2000年の時点でウイルスの80%が電子メールを通じて拡散していると言う。しかし,ユーザーにとって,ウイルス対策用のDATファイル(ウイルス情報ファイル)をアップデートするのは難しく,しかも面倒な作業になっている。こうなると,サービスプロバイダーのオペレーションセンターなどで,付加価値サービスの1つとしてウイルス対策を行うことが必要になる」と言う。

「セキュリティには非常に色々な要素が含まれる。物理的なセキュリティもそうだし,パスワードの設定方法も重要な要素だ。ユーザーに対してセキュリティの大切さを教育していくことが欠かせない」とマネリング氏は語り,さらに,企業全体で,特に企業トップがセキュリティ問題のコストを認識し,きちんと取り上げていくことが大事だとした。

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▼日本ネットワークアソシエイツ

[高橋睦美 ,ITmedia]