テクマトリックス,米パラソフトのC/C++開発支援ツールの国内総販売権を取得

【国内記事】 2001.08.23

 テクマトリックスは8月23日,米パラソフトが開発したC/C++開発支援ツールの国内総販売権を取得したことを発表。国内総販売代理店として,「Insure++」「CodeWizard」「C++Test」の3製品に関する,販売,マーケティング,日本語化,ユーザーサポートなどを行っていく計画を明らかにした。

 パラソフトは当初,複数のワークステーションを並列に接続し,科学計算などの処理のスループットを向上させることを目的とした並列処理用ミドルウェアを開発。テクマトリックスは社名変更前のニチメンデータシステムとして1989年に,パラソフトと同ソフトウェアの販売契約を締結したという。

 その後パラソフトは,1992年ごろから並列処理技術のノウハウをベースに,エラー予防やエラー検出,テストツールなどの分野に進出。ソフトウェア開発におけるデバッグ作業の軽減と作業工数の削減を可能にするさまざまなツールを発表している。2000年5月にはニチメンデータシステムが,同社のJava対応自動テストケース生成・実行ツール「Jtest」の国内総販売権を取得し,その販売を開始している。

パラソフトの製品群は,統合テスト環境として,Microsoft Visual C++から直接利用できる

 今回発表された総販売代理店契約は,C/C++対応の自動エラー検出ツールであるInsure++,C/C++対応ソースコード解析ツールのCodeWizard,C/C++対応自動ユニットテストツールのC++Testの3製品に関するもの。テクマトリックスでは,同日より英語版の正式出荷をスタートし,10月にInsure++日本語版を,12月にCodeWizard日本語版を,2002年2月にC++Test日本語版を順次提供していく計画という。

エンタープライズテストソリューションを実現

 Insure++は,コンパイルおよび実行時のメモリリークやメモリ参照エラーなどを検出する自動エラー検出ツール。最新のエラーチェック技術を搭載し,80種類以上のエラーを自動的に検出することが可能という。コンパイル時に行う静的なエラー検出と,実行時に動的にエラー検出する2つのモードでエラー検出することができる。

 またInsure++では,テストカバレッジ分析ツール「TCA」およびメモリ使用分析ツール「Inuse」の2つのオプション製品を提供する。TCAは,アプリケーションや関数レベル,ブロックレベルなど,さまざまなレベルでのカバレッジ情報がレポートできるほか,テストされていない個所を自動的に検出可能。一方のInuseは,メモリリークやメモリフラグメンテーション,メモリボトルネックなど,さまざままメモリ上の問題を検出し,その状況をリアルタイムに表示することができる。2つのオプションを組み合わせて利用することで,より高い品質のアプリケーションを短期間に開発することができるという。

 CodeWizardは,170種類のコーディングルールを搭載し,それと比較することでコンパイル時に不正なコーディングを検出するソースコード分析ツール。CからC++に移行する場合のルールやメモリの確保と開放,代入演算子関数など,さまざまなルールに違反したコードを自動検出し,エラー修正情報としてレポート出力してくれる。なお,コーディングルールは,ユーザーが独自にカスタマイズすることもできる。

 C++Testは,単体テストに必要なテストドライバ,テストスタブ,テストケースを自動的に生成し,ホワイトボックステスト,ブラックボックステスト,回帰テストを実行し,自動的にエラー検出するユニットテストツール。ユーザー独自のテストケースやテストスタブを指定したユニットテストも行うことができるという。

 発表のため来日したパラソフトのインターナショナルビジネス部長,ブライアン・ゲイザー氏は,「システム開発コストは,バグの両に比例して増加する。実際のシステム開発では,工数見積もりの80%以上がテストやバグの検出などに費やされている。プロジェクトの70%は,工数見積もりに失敗しているといえるだろう」と話す。

「われわれが提供するソフトウェア自動テスティングソリューションを利用することにより,エンタープライズシステム開発の品質向上だけでなく,納期の短縮やコストの削減を実現することが可能になる」(ゲイザー氏)

 プラットフォームは,Insure++およびCodeWizardがWindows 95/98/NT/2000およびVisual C++ 5.0/6.0をサポート,C++TestがWindows NT/2000およびVisual C++ 6.0をサポートする。

 価格は,Insure++が14万8000円,CodeWizardが19万8000円,C++Testが54万8000円。また,3製品をパッケージした「C/C++ Developers Kit」を38万8000円で提供。さらにInsure++に,InuseオプションおよびTCAオプションを搭載した「Insure++ Enterprise Edition」を24万8000円で,Insure++ Enterprise EditionにCodeWizardとC++Testをパッケージした「C/C++ Developers Enterprise Kit」を72万円で提供する。

 なおテクマトリックスでは,12月31日までの期間,Insure++を9万8000円で,CodeWizardを14万8000円で,Insure++ Enterprise Editionを19万8000円で,C/C++ Developers Kitを29万8000円で提供するキャンペーンも実施。すべての製品に1年間の保守契約が付属している。

関連リンク

▼テクマトリックス

▼パラソフト

[山下竜大 ,ITmedia]