EIMのウェブセンスが日本法人設立へ

【国内記事】 2001.08.30

 米ウェブセンスは8月30日,日本におけるパートナー企業を支援するために9月に日本法人を立ち上げることを明らかにした。同社は,Webフィルタリングを一歩進めた「EIM」(Employee Internet Management)を提唱する企業。日本では代理店を通して製品を販売していた。

 サンディエゴ郊外に本拠を置く同社は,ネットワーク接続者の使用状況をモニタリングする「Websense Enterprise Software」と,フィルタリングに利用する75の分野にカテゴライズされたデータベースの提供でビジネスを展開する。主力製品であるWebsense Enterpriseは,単なるフィルタリングソフトでなくEIM製品と位置付けられている。これは,Websense Enterpriseがフィルタリングするときに,例えば「昼間の休憩時間ならオンラインショッピングしてもいいが,勤務時間中はダメ」「1週間に1時間までなら競馬のWebサイトを訪れても咎めない」などの設定をできるためだ。

 単なるフィルタリングソフトを導入したら,「見てはいけない」と決められたWebサイトは,設定を変更して初めて見ることができるようになる。こうした設定を柔軟に管理できるのが,EIM製品の特色となる。

来日したステイカー氏(左)とスウィッシャー氏

 同社の国際営業担当上級副社長,カーティス・ステイカー氏は,「われわれは,企業がインターネットポリシーを策定し,それをすぐに反映できるように支援したい」と話す。

 同氏によると,米国企業の3分の2はインターネットの私的利用で社員を処分しており,3分の1は解雇した経験を持つという。

「従業員が仕事中にインターネットを私的利用することで,企業が被る金銭的被害は大きい。帯域やストレージ,ディスクスペースといった問題だけでなく,従業員の生産性をインターネットが奪っていることになる」(ステイカー氏)

 またこのような製品では,管理対象のカテゴリとフィルタリングできるURLの量も問われることになる。同社でデータベースオペレーションを担当するディレクター,パトリック・スウィッシャー氏によると,同社のデータベースは75のカテゴリーで250万サイト,5億URLを管理しており,そのうち9%が日本語Webサイトという。

 毎日データベースを更新しなければならないため,独自のツールをスタッフに利用させ,日々の作業を効率化している。

 また同社は,顧客企業のインターネットアクセス記録を調べ,従業員がアクセスしたWebページを対象としてデータベースに反映する作業も続けている。このアプローチを採用すると,多くアクセスされたWebページから順番にデータベース化することができ,「アクセス数の少ないWebサイトをターゲットにはしない。ポピュラーなWebサイトから対象とする」(スウィッシャー氏)ことも期待できる。

 なお,トレンドマイクロとアルプスシステムインテグレーション(ALSI)が設立した合弁会社,ネットスターなど,有害URLデータベースを保有している。これに対して同社では,パートナー企業を含む他社が構築したデータベースではなく,同社独自のURLデータを顧客に提供する方向という。

 日本法人は,現在登記作業中で,9月中に設立される。社名は「ウェブセンスジャパン」となる見込み。

関連リンク

▼ウェブセンス

[井津元由比古 ,ITmedia]