テロニモ負ケズ……,デモを行うF5ネットワークスの目玉は「BIG-IP 5000」
【海外記事】 | 2001.09.12 |
9月11日より始まったNetWorld+Interop 2001 Atlantaの展示会は,この日米国で起こった連続テロ事件を受けて,ややざわついた雰囲気の中で行われた。午後2時の会場閉鎖を前に,早々にブースを撤収したベンダーもあったほどだ。だがそうした中でも,熱心にデモンストレーションを行うベンダーもあった。
その1つが,米F5ネットワークスだ。同社は今回,会場前に巨大なBIG-IPのオブジェを設置するなどして宣伝に力を入れていた。
もちろん,新製品も用意している。同社はN+I Atlantaに合わせ,マルチレイヤスイッチの新製品「BIG-IP 5000」をリリースした。これは,Webサーバやキャッシュサーバ,ファイアウォールなどに対するアクセス負荷を分散し,トラフィック管理と冗長性確保を実現する製品だ。
同社はこれまで,広域負荷分散装置の「GLOBAL SITE」や,ネットワークのパフォーマンスを加味して最適なルーティングを指示する「3-DNS」に加え,Webアクセスの負荷分散装置「BIG-IP」シリーズを提供してきた。既存のBIG-IPと新製品のBIG-IP 5000の大きな違いは,SSLアクセラレーション機能をハードウェアに内蔵したことだ。
SSLの暗号化/復号化処理は,セキュアなWebサイトシステムにおけるボトルネックとなることが多い。これに対しBIG-IP 5000は,SSL処理を行う専用ASICを搭載することで,パフォーマンスを大幅に向上させた。デフォルトでは最大で毎秒100までのSSLセッションをサポートし,さらにソフトウェアアップグレードによって毎秒800セッションまでの処理が可能という。
SSLアクセラレーション機能が加わった新製品,BIG-IP 5000 |
また,同社が提供する管理用インタフェース「iControl」を通じて一元的な管理を行える点もメリットとなる。iControlはまた,SNMP対応のネットワーク機器に加え,Windows 2000やRealServerなどの情報を収集し,それをBIG-IPの設定に反映させることもできる。
F5ネットワークスはBIG-IP 5000を,1Uサイズの筐体にスイッチファブリックとプロセッサ処理を組み込んだオールインワンタイプの製品と表現している。
BIG-IP 5000は,24個の10/100Mbpsポートと4個のギガビットイーサネットポートを搭載しており,全体のスイッチファブリックは16Gpps。米国では3万1990ドルで,同日より出荷が開始されている。
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[高橋睦美 ,ITmedia]