エクストリームが初のマルチレイヤスイッチ「SummitPx1」を公開

【海外記事】 2001.09.12

 米国時間の9月11日より,NetWorld+Interop 2001 Atlantaの展示会が,米ジョージア州アトランタのGeorgia World Congress Centerで開始されている。

 この会場で米エクストリーム・ネットワークスは,国内でも近々リリース予定の新製品,2機種を披露した。

 1つは,MAN(Metropolitan Area Network)向けスイッチのエントリ機種に当たる「Alpine 3802」。2つのスロットを搭載した製品で,VDLSモジュールを組み合わせ,イーサネットサービスに適用することも可能だ。9スロット/5スロットというスペックの現行機種をコンパクト化して低価格化を図り,導入のハードルを低くしたという。

コンパクトになったAplineの新製品。日本での登場は10月以降になりそう

 もう1つは,コンテンツ配信ネットワークや大規模サーバファームを対象としたマルチレイヤスイッチ(アプリケーションスイッチ),「SummitPx1」である。URLスイッチングによってWebアクセスの負荷分散を実現するもので,同社としては初のマルチレイヤスイッチ製品となる。

 マルチレイヤスイッチやレイヤ4-7スイッチ,あるいはエクストリームのいうアプリケーションスイッチと表現はさまざまだが,Webアクセスの負荷分散を行い,同時に冗長性を確保するための製品は,この1〜2年で急速に豊富になってきた。現にN+I Atlantaの会場には,ファウンドリネットワークス,リバーストーン・ネットワークス,あるいはシスコシステムズ(旧アローポイント)やノーテルネットワークス(旧アルテオンウェブシステムズ)などが提供する多様な製品が展示されている。

 こうした競合製品に対するSummitPx1の強みは「パフォーマンス」だ。ソフトウェアベースの製品とは異なり,独自のアルゴリズムに基づくASIC,「PXSilicon」を用いることで,レイヤ4レベルでは最大23万5000,レイヤ7レベル(クッキーなどを使用)では最大12万の接続をサポートするという。これは,米マイヤー・コミュニケーションズのテスト結果によると,他社製品の10倍以上のパフォーマンスだという。

エクストリーム初のマルチレイヤスイッチ,SummitPx1(中央,Newのマーク付きの製品)

 課題はSummitPx1自身の冗長化となりそうだ。現時点ではSummitPx1自身には二重化機能は組み込まれておらず,Aplineなどを組み合わせるか,製品自体を二重化する方法を採るしかない。

 米エクストリームではSummitPx1を単体で出荷するほか,同社のフラグシッププロダクト「BlackDiamond 6800」への組み込み可能なモジュールとしてのリリースも予定しているという。また,具体的な計画は未定ながら,将来的にはXML処理を高速化する機能なども組み込む方針だ。

 同社によれば,既に米国では,サーバファームなどでいくつかSummitPx1のベータテストが進められているという。米国内での出荷は9月24日の予定で,価格は4万9995ドル。国内でも来週に正式なリリースが予定されている。

関連リンク

▼米エクストリーム・ネットワークス

[高橋睦美 ,ITmedia]