10GbEの相互接続性デモを実施,普及は2003年前後

【海外記事】 2001.09.13

 ファストイーサネット(100Mbps)からギガビットイーサネット(1Gbps)へ,そしてさらにその10倍の速度である10ギガビットイーサネット(10GbE)へと,ネットワークのさらなる高速化は続いている。

 NetWorld+Interop 2001 Atlantaでは,幾つかのネットワーク機器ベンダーが10GbE対応製品を正式に発表したほか,業界団体の10ギガビットイーサネットアライアンスによって,複数のベンダーによる相互接続性デモンストレーションが行われた。

 10GbEの標準であるIEEE 802.11aeはほぼ完成に至っており,来年春に見込まれる批准を待つ段階にある。今は,各社がそれを実装に持っていき,徐々にテストに入ろうという時期に差し掛かっている。

 802.11aeは,物理層によってさまざまな仕様が定められている。ギガビットイーサネットの場合も1000BASE-SX/LX,あるいは銅線を用いる1000BASE-Tといった複数の仕様が存在したが,それがさらに複雑になった形だ。今回の相互接続性デモでは,そのうち10GBASE-LR/LW,10GBASE-SR,10GBASE-ER/EWという5つの仕様に基づいた製品が利用されている。

 参加ベンダーには,春のN+Iで早々に10GbE対応製品をリリースしたファウンドリネットワークスをはじめ,シスコシステムズ,エクストリームネットワークス,ノーテルネットワークス,アバイアといったネットワーク機器ベンダーがそろった。

10ギガビットイーサネットアライアンスのデモ。ストリーミングでニュース画像を流している

 また,光トランスミッションやケーブルなどのコンポーネントを提供する企業が参加したほか,アジレントテクノロジーズが10Gbps対応のルータテスタを,またスピレントコミュニケーションズが10Gbps対応のSmartBitを展示するなど,実際のネットワークに導入する際に必要なテスト製品も登場した。

 ブースでは,例えばエクストリームのBlackDiamondとシスコのCatalyst 6500シリーズを10GbEで接続してビデオサーバにつなぎ,リアルタイムで連続テロ事件の続報を報じるニュース画像を映し出すといったデモが行われている。画像を目で見たところたまに遅延が発生するようだが,接続そのものにはほぼ問題がないということだ。むしろ「問題になるのはサーバの処理能力」(スタッフ)という。

「(10GbEの相互接続には)確かに幾つか難しい部分がある。しかし,ギガビットイーサネットも数年前はそうだった。今回の相互接続デモは,標準を推し進めていくための最初の重要なステップだ」(エクストリームネットワークスのプロダクトマネジャー,アミート・ディロン氏)

 10GbEの単価はまだ高いため,実際に導入が広まるのはやや先のことになるだろう。それでも,キャンパスネットワークや企業ネットワークのバックボーン,あるいはメトロポリタンネットワーク(MAN)の局(POP)間接続などで,需要は確実に高まっているという。今はまだだが,2002年後半〜2003年にはこうした市場に10GbEが広まるというのが各社の予想だ。

シスコシステムズは自社ブースで,Catalyst 6506用の10GbEモジュールをデモ展示した

 なお幾つかのベンダーは,10ギガビットイーサネットアライアンスによるデモとは別に,自社ブースでも10GbE対応製品を紹介している。シスコシステムズはCatalyst 6506向けの10GbEモジュールを展示した。10GBASE-LX4に対応したもので,追って年内を目標に10GBASE-LRに対応する予定という。またアバイアも,Cajun P882向けの10GbEモジュールを紹介しており,こちらは2002年1月に市場に投入されるということだ。

関連リンク

▼10ギガビットイーサネットアライアンス

[高橋睦美 ,ITmedia]