日経コンピュータ創刊20周年セミナー,ゲイツ氏,PWC倉重会長などが登場

【国内記事】2001.10.15

 日経BPは10月15日,同社が発行する雑誌「日経コンピュータ」の創刊20周年記念セミナーを都内のホテルで開催した。特別メッセージとして,米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が登場している。基調講演には,プライスウォーターハウスクーパース(PWC)の倉重英樹社長,特別講演としては米スリーリバーズインスティチュートのケント・べックディレクターがスピーチを行った。

 基調講演に立ったPWCの倉重氏は,日本の製造業が「ジャパン・アズ・ナンバーワン」ともてはやされたころから,バブル崩壊によるショックを引きずり,大きな発展を見せることができなかった90年代に至るまでの変遷について話した。

 同氏は,'90年代,対照的に米国が好景気に恵まれたのはERPやSCMなどの情報技術を積極的に取り入れたからとする。コスト意識を強く持ったことが成功につながったという。

 同氏は,製造業の製造プロセスがグローバル化の波を受け,日本の製造業が敗北しかけているとする。バブルの崩壊によって発生した,不良債権をはじめとした傷がまだ癒えていなかったこともベースにあるだろう。

 また,欧米の国々のように,比較的単純な労働は安い移民の労働力に任せてしまう,というような方策が,日本の土地柄や国民性などからすると難しいということも,コストが高止まりするひとつの理由になっているかもしれない。

 対応として同氏は,「鎖国をする」か「経営を革新してコスト競争力をつける」の2つしかないと話す。鎖国が無理ならば,生き残るための選択肢は1つになるという。つまり,ERPやSCMをはじめとしたプロセスのIT化を柱に,今後はインターネットベースのWebサービスも本格化してくる。また,半導体の生産を請け負うEMSのような業態,グローバルな生産体制を構築しているユニクロなども,先端的な経営体制を敷く企業として参考になるという。

関連リンク

▼日経BP

▼プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント

[怒賀新也 ,ITmedia]