P4に最適化されたWindows XPを共同で売り込むウインテル

【国内記事】2001.10.24

 インテルは10月24日,都内で記者発表会を行い,マイクロソフトが発売するWindows XPのPentium 4への最適化について,ビジネスユースも含めて技術的な側面から説明を行った。また,両社がWindows XPとPentium 4のマーケティング活動を共同で行っていくことについても併せて明らかにしている。

 冒頭,マイクロソフトの製品マーケティング本部の御代茂樹部長がスピーチを行い,ブロードバンドなどの技術の進歩によって,ビデオ映像などのコンテンツデータが急増しているため,「Windows XPで初めて,OSへのデマンドがハードウェアの性能を追い越した」と話した。ソフトウェアの性能向上に合わせて,プロセッサもまだまだ性能を向上させる必要があることを示唆した。

 同氏は,Windows XPとPentium 4の組み合わせによるビジネスプラットフォームに関して,マルチタスク環境やシステムレスポンス,バックグラウンドタスク,Webサービス,ファイアウォール,リモートアシスタンスなど,セキュリティやシステム管理などにおいても,安定性に優れているとアピールしている。

 御代氏は,ビデオなどのデジタルコンテンツが増えていくブロードバンド時代において,Pentium 4がその可能性を最大限に引き出すとしている。

 両社はそれぞれWindows XPとPentium 4を共同でマーケティングしていくという。具体には,イベントや製品発表会,店頭デモなどの小売,オンラインでの共同コンテンツ,プリント公告などで協力するという。

「Windows XPとPentium 4プロセッサは最適」とする共同マーケティングのロゴ

 一方,インテルのe-マーケティング本部,小鷲英一氏も「Pentium 4はWindows XPで性能が出るように作られている」と続け,ビジネスアプリケーションにおける3D効果やブロードバンドアクセスなどでの高速化していると話す。同氏は,「Pentium 4向けに最適化されるアプリケーションソフトも増えてきており,将来的にも同製品を利用するメリットがある」として,ライバル製品をけん制した。

 両社は,具体的なユーザーのメリットとして,オーディオ編集やWebサイトの作成,インターネットショッピング,高速なネットワークアクセスなどを挙げる。ビジネス分野では,社内LANにおける協調作業の効率化や生産性の向上などが実現するとしている。

 例えば,Outlook,Word,Excel,McAfeeなどの複数のアプリケーションを同時に使うような,オフィスワーカーの典型的な日常作業をモデル化したベンチマーク「SYSmark 2001」において,Pentium III/1GHzとWindows Meの組み合わせを1とした場合,Pentium 4とWindows XPの組み合わせは1.67と大幅に向上するとしている。

具体的には何が変わったのか

 技術的にWindows XPのどんな機能がPentium 4に最適化されたかについて,小鷲氏は,「Direct Xライブラリ」「システムコール・インタフェース」「TCP/IP」「メモリページのゼロフィル/メモリバッファ・コピー」「SSE/SSE2命令を用いたアプリサポート」「SSE2のゼロへのデノーマルモード」「拡張マシンチェックアーキテクチャ」などを挙げた。

 例えば,プログラマーが新しい関数をコールするときに使用するシステムコールにおいて,Windows XPは「fastシステムコール」を採用している。結果としてPentium 4ではシステムコールが高速化しているという。

 また,TCP/IPでは,チェックサム・ルーチンをSSE(Streaming SIMD Extensions:マルチメディア拡張命令セット)のプリフェッチ命令において最適化している。これにより,ブロードバンドアクセスやFTPダウンロードを行う際に,プリフェッチがより高速になるという。

 さらに,ビジネス向けの利用で重要となるのが,拡張マシンチェックアーキテクチャ。この機能はWindows XPで追加されたもので,プラットフォームやプロセッサに障害が発生した際に,Pentium 4がプロセッサの詳細な内部情報を出力することで,より詳しい解析ができるという。

関連リンク

▼インテル

▼マイクロソフト

[怒賀新也 ,ITmedia]