大阪弁もスラスラ入力できるATOK15

【国内記事】2001.10.25

 ジャストシステムは10月25日,大阪弁の変換にも対応した最新の日本語変換ソフト「ATOK15 for Windows」を来年2月に発売することを明らかにした。新たに表現モードが追加され,「一般」「話し言葉」「話し言葉関西」を切り替えることで対応する。アプリケーションごとに各モードを自動的に切り替える機能も用意され,ワープロは一般,メールやチャットは関西と,利用シーンに適した変換が可能という。

 都内のオフィスで行われた発表会で,浮川和宣社長は,「言葉はアイデンティティでもある。第1弾は方言への対応だが,一人ひとりに満足してもらえるATOKを目指している」と話す。

「ATOK15では,ゆとりや心の豊かさを追求した」とも。

 ジャストでは,九州,中部,東北などの方言にも対応を拡大するのと並行して,「ご当地辞書」の開発も進める。ご当地辞書は地域では知られている固有名詞,例えば,公園やお店の名前などを集めたもの。同社では来年2月,ユーザー参加型のWebサイトを立ち上げ地域に密着した言葉を募集していくという。

 浮川氏は,「ユーザーがインターネットに接続されていることを前提にすれば,ご当地辞書をインターネットディスクサービスで共有するなど,いろんなことができる」と夢を語る。あまりに気を良くしたのか,「既に中国語版のATOKも開発が進んでいる」と口が滑らす一幕もあった。

 ATOK15ではこのほか,ビジネス向けの機能拡張として,「ATOK LAN Extension」を搭載した。Microsoftネットワークの機能を利用し,ワークグループ内でサーバを介さずに辞書データの公開と取得を可能にしてくれる。辞書を作成するツールも付属し,企業のデータベースやExcelに格納されている顧客,社員,商品などの各種リストをATOKの辞書として手軽に活用できるようになった。

 また,300以上のExcel関数を「切り捨て」とか「平均」といった言葉でインクリメンタルサーチできる機能も追加されている。

 なお,ジャストでは2002年3月に「ATOK for Palm OS 日本語グラフィティ対応版」を発売することも明らかにした。Palmデバイスのグラフィティ入力エリアでひらがなを認識できるようにしたもの。ユーザーのクセも学習し,使い込むことで認識率も高まるとしている。ソニーのクリエに搭載されたATOKでは既に推測変換機能が使えるが,ATOK for Palm OS 日本語グラフィティ対応版では,これを2文節まで機能拡張し,よりいっそう入力の手間が省けるようになる。また,Palm OS 4.xのVFS(Virtual File System)に対応しているため,サイズの大きな辞書をメモリースティックやSDカードに格納することもできるようになる。

 価格はどちらも未定。

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▼ジャストシステム ATOK15製品情報

[浅井英二 ,ITmedia]